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2006年11月27日

「仙北市東京屋敷」その5

 

 ずっと前に「きりたんぽ」ってもっと全国的に普及してもいいと思うということをブログに書きました。
 その後、昨年の冬だったと思いますが、TV番組で「鍋と言えば、何鍋?」という街角アンケートをやっていてベスト5を発表していました。私は当然その中に「きりたんぽ」が入っているものと思っていたのですが、な、な、なんと、「きりたんぽ」はベスト5に入っていなかったのです。ショック!

 でも、これは別に「評価が低い」ってことではなくて、「食べたことがない」ってことなんですね。秋田県人なら鍋と言えば「きりたんぽ」ですが、他県ではそうではない。名前は知られていると思うんですけど、実際に食べたことがある人は多くはない。ということは、一度食べてもらえたら消費量が大きく伸びる可能性もあるということですよね。オレは伸びると思いますね。


 前回ブログで紹介したスーパーのオオゼキ松原店でも「きりたんぽ」を売っているのを見たことがあります。でもあまり目立たないところにさりげなく置かれていて、作ったことがある人でなければ手に取ることはないだろうなと思いました。比内鳥のタレは同じ所に並べて置いてありましたが、野菜などの食材は一緒には並べられていなかったですね。角館辺りのスーパーだと、セリや、ゴボウといった野菜も一緒に並べられてますよね。あれと同じように必要な食材を一つのワゴンにまとめて売ってくれたらもっと売れるんじゃないかな。


 今日の夕方もオオゼキに買物に行きましたが、店頭でワインの試飲をやっていまして、販促の女の子がワイン紙コップに注いで「○○いかがですか〜」と客に勧めていました。夕方から酔っ払ってはいられないので私は飲みませんでしたけど、惣菜売り場では韓国の民族衣装を着た女の子がキムチなどの惣菜を販促していることもあります。
 販促をしているのはオオゼキの店員ではないみたいですね。販売元から派遣されたバイトなんでしょう。今日は、オオゼキ○○店、明日はマルエツ○○店といった形で転戦しているんでしょうか。

 さて、角館のスーパーでも食材の販促をしている姿を見かけますが、「きりたんぽ」の販促は見たことがありません。そりゃそうですよね。食べ慣れている食材の販促をしても消費量が伸びることはあまり期待できませんから。しかし、東京では事情が違います。東京では「きりたんぽ」を食卓に並べたことがない人が大多数なんですから販促の効果が期待できます。
 寒い冬に、「きりたんぽ」を盛った湯気の立つお碗を手に「今晩の夕食に、きりたんぽは如何でしょうか〜」なんてやったらどうでしょう? 秋田弁で「きりんたぽ、なんただんしか〜」なんてのもいいかも。オオゼキなら秋田弁を指導をしてくれる人は沢山いるし(笑)

 販促をするときには「きりたんぽ」だけではなく、比内鳥のタレ、野菜、鶏肉といった必要な食材をセットで並べておいたらいいですよね。一ヶ所でまとめて買えるから便利だし、はじめて作る人は必要な食材や、適量がわかりませんから。


■「きりたんぽ」の販促は「きりたんぽ」だけの販促にあらず

 スーパーでは、セリもゴボウも売っていますがもちろん秋田県産とは限りません。栃木県産かもしれないし、宮崎県産かもしれない。
 でも、「きりたんぽ鍋」を作るなら野菜も、鶏肉も秋田県産にしたいと思うのが消費者の人情。味も本場に近づくし、気分も違う。
 というわけで「きりたんぽ」の販促は、秋田県産野菜や、鶏肉の販促にもなるわけです。イェイ!


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 5回にわたって書いてきた「仙北市東京屋敷」シリーズですが今回でラストです。
 なんか今回の内容は別に仙北市でなくても秋田県ならどこどもいいねがっよっていう話になっちゃって、あんまりおあとがよろしくないんですけど、トッピンパラリのプってことで(笑)

「仙北市東京屋敷」その1
「仙北市東京屋敷」その2
「仙北市東京屋敷」その3
「仙北市東京屋敷」その4

投稿者 taguchi : 2006年11月27日 00:48

コメント

おばんです。

「きりたんぽ鍋」は、秋田県で食べるからおいしいのだと私は、5年前 角館に戻ってきた時に実感しました。

そちらのスーパーで売っているきりたんぽは真空パックではないですか?こちら秋田で売っているきりたんぽは生物・・・賞味期限2日間くらいのものです。ですから、こちらから東京にお土産でもっていく真空パックのきりたんぽでは東京の皆さんはおいしいとは思わないのです。 
 もちろん、秋田の人でもそのきりたんぽの味のちがいはわかっています。

秋田、角館で食べるからおいしいもの・・・これは私の実体験です。たとえば、カキ氷・・・これも角館のシダさんの氷は角館だからおいしいのです。クーラーの効いた東京のお店ではおいしく最後まで食べられなかったのに、角館で食べるかき氷のおいしい理由が 角館に来てわかったのです。

「きりたんぽ鍋」は、秋田で食すおいしい鍋であってほしいと私は考えます。

投稿者 さんさん : 2006年11月27日 22:13

さんさんサン、お晩です。
 読んでくれてありがとうございます。

 確かに産地で採れたて、作りたてのものを本場の環境の中で食べた方が美味しいですよね。
 本場を味わう為に秋田に足を運んでもらえたらそれに越したことはないわけですけれど、その一方で仙北市内の農家の作る農産物を県外の消費地にもっと売り込みたいというニーズもあって、その方法を探るのが仙北市東京屋敷の一つの目的だと思ったんですね。

 売れ筋調査をした後で、最終的には流通ルートに乗せて県外のスーパーなどの小売店に卸す事になると思うんですが、素人考えですけどそう簡単には仕入れてもらえないんじゃないかと思うんです。だって、角館のスーパーでもそうですけど、一種類の野菜について産地ってせいぜい2つか、3つじゃないですか。既に取引しているそれらの産地を押しのけなければならないわけで、その時には他の地域産のものと価格競争になってしまうんじゃないかと思うんです。

 しかし、「きりたんぽ」と抱き合わせにすれば、取り扱ってもらい易いし、また価格競争もある程度回避できるんじゃないかと思ったんですね。そういう意味では、別に「きりたんぽ」でなくても他のものでもいいんですわ。

 で、「きりたんぽ鍋」をきっかけに秋田県産の野菜を食べた人達が、「きりたんぽ鍋」を作るとき以外も秋田県産の野菜を選んで買ってくれるようになったらいいと思いますし、また「秋田に本場のきりたんぽ鍋を食いに行こう」と、秋田に足を運んでくれるきっかけにもなるんじゃないかと思うのですよ。

投稿者 20年ぶり : 2006年11月28日 00:15