« 「仙北市東京屋敷」その3 | メイン | 「仙北市東京屋敷」その5 »

2006年11月06日

「仙北市東京屋敷」その4

 私は、今東京の世田谷区に住んでいます。最寄の駅は世田谷線の松原という駅です。
 世田谷線は2両編成の電車がガタゴト走る小さな路線で、ターミナル駅の下高井戸から一つ目の松原駅の駅前はオオゼキというスーパーが一軒あるだけの他になにもない住宅街です。

 5年程前、高校の教員をしているうちの弟が学生の就職先の開拓で東京に来た事がありました。松原駅の駅前で待ち合わせたのですが、合うなり「俺、前にそごのオオゼキさ来たごどある」というのです。その時まで知らなかったのですが、地元のスーパーだと思っていたオオゼキは実は東京の西南地区にチェーン展開しているスーパーで松原店が本社だったのです。それで就職の件で本社を訪問した事があったということでした。

 どうりでレジ打ちをしている女の子が値段を読み上げる時の「○○円」の「エン」のアクセントが変わってると思ったんだよな。東京だと普通語尾の「エン」のアクセントは下がるんだけど、ここのレジの女の子達は上がるんで、「秋田と同じアクセントの人もいるんだな」なんて思ってたんですが、合点がいきました。秋田出身の女の子だったんですな。それにしても意外な所で「縁(エン)」があるものです。

 私も日常的に買物に行っているこのオオゼキですが、業界では知る人ぞ知る超優良スーパーらしいのです。 (こちらの記事の中ほどにオオゼキの紹介があります)
 角館周辺のスーパーもそうだと思いますが、流通業界では正社員比率を下げ、パートを増やしてコストを削減するのが常識だと思います。しかし、オオゼキでは正社員を増やして売上げを伸ばす方針だそうで正社員比率はなんと70%(上記の記事中では80%となっていますが、オオゼキのHPによれば現在70%超とのこと)、年間坪効率は1,247万円(記事中の1,800万円は松原店の数字)。

 私は東京に20年以上住んでいますが、ここに引っ越してくるまではオオゼキというスーパーの存在を知りませんでした。角館の方もオオゼキというスーパーの名前は初めて聞かれたと思います。イトーヨーカドー、ジャスコ、ダイエーなど全国展開しているスーパーばかりでなく、マルエツ、いなげや、サミット、京王ストア、東急ストア、Olympic などなど、オオゼキ以外にも東京近郊にチェーン展開しているスーパーが沢山あります。(参考:日本のスーパーマーケット一覧(Wikipedia)
 そして、これらのスーパーは東京都下に相当数の店舗を展開しています(マルエツ52店舗、いなげや63店舗、オオゼキ25店舗など)。


■売り手の声

 前回、アンテナショップの目的は、「地域や、特産品のPR」と、「売れ筋調査」の2つで、「PR]はイベントや、メディアを活用したらよいのではないかと書きましたが、では「売れ筋調査」はアンテナショップを作って買物に訪れるお客さんの声を聞くだけで十分でしょうか?

 確かに、消費者の生の声を聞く為にアンテナショップを開くことは意味のあることだと思います。しかし、その消費者というのはショップを開設した地域の消費者に限定されてしまいます。だからどこに立地するかで悩むわけですが、上記のような東京都下にチェーン展開するスーパーと直接お付き合いしたらどうでしょう? もっと広範な地域の、より多くの消費者の声を得ることができるのではないでしょうか? (そうなればショップの立地にあまり悩まずに済みます)

 また、「売れ筋調査」に於いて販売の現場である流通業者の生の声を聞くことも、消費者の生の声を聞くのと同様に意味のある事だと思います。
 更に、「PR」に於いても流通業者とのお付き合いの中で工夫できることがいろいろあるように思います。


 この続きはまた後日。


「仙北市東京屋敷」その1
「仙北市東京屋敷」その2
「仙北市東京屋敷」その3
「仙北市東京屋敷」その5

投稿者 taguchi : 2006年11月06日 01:42