2005年11月06日
本庁舎について考える
このサイトのトップページで行っていた投票「市長選挙:私が注目する政策課題は?」(投票は先月末で終了)で「市役所建設」に最も票が入りました。
全体の数が少ないのでなんともいえませんが、ちょっと意外であると同時に「やっぱりそうなのかな」という気もしました。

「市役所建設」。
角館町が合併協議会からの離脱した時、田沢湖町角館東前郷に作るという話になっていたとか、いないとか言う話が出たあの「市役所建設」。
どこの市町村も合併に際して「自治体の名前」と、「市役所の場所」でモメています。仙北市では、自治体の名前は決まりましたけど、もう一つの懸案がまだ残っているわけですな。
大仙市みたいに市の真ん中に大きい町があるところはいいんですよ。仙北市は中心部に町がありませんからどうしても引っ張り合いになってしまいます。
さて、どのぐらいのお金で建てられるんでしょう? こういった方面にはまったく疎いので見当もつきませんが多分何十億円でしょう。
これから仙北市は10年間で200名の職員を削減する計画だそうです。現在の職員数が950名だそうですから2割ほど減る事になります。その後も人口の減少に伴って職員数は減少していきますから、役所のオフィススペースはこれから空きが増える一方なわけです。そんな今、大金を投入して本庁舎を建設して更にオフィススペースを増やすというのはどうなんだろうかと思います。私は貧乏性なもんで単純にもったいないと思います。
公開討論会の時に、コーディネータ氏が会場に集まった人たちの声として「分庁舎方式なんて不便。あんたら何考えてんの?」という意見のあった事を紹介していました。
これを聞いて私は首を傾げてしまいました。「そんなに不便か?」
役所に行く用事といったら一番多いのは住民票とか、戸籍抄本の交付でしょう。あと国民年金、市民・県民税、国民健康保険とかの関係でしょうか? あとは、...印鑑登録とか...。住民登録、婚姻届、出生届、死亡届なんて一生のうちに何度かしかないし。
で、こういった直接住民が利用する窓口サービスは全て各地域センター(いままでの役場)でできるようになっています。
本庁舎を造るとしたら各町村の境目の辺りに造られるんでしょうから、どの町村からも今より遠くなってしまいます。歩いては行けないし、自転車でも辛い。冬は無理。却って不便だと思うんですけど...
石黒さんは、各地域の出先は必要だと言われています。IT時代なのでコンパクトにできるとも言われていますから、分庁舎は残して本庁舎と並存させる考えのようです。本庁舎に1本化するよりはずっと良い考えだとは思いますけど、そもそも本庁舎を造る目的、効果は何でしょうか?
石黒さんは「本庁舎は市民融和のシンボルだ」と言われましたが私はそれはどうかと思います。下手をすればどこに造るかでモメて「市民不和のシンボル」なんて事になりかねません。(うまくまとめる事ができれば“雨降って地固まる”になるかもしれませんが。)
普通に考えれば本庁舎を作る効果は業務の効率化でしょう。分散しているより集まっていた方が仕事の効率はいいでしょうから。しかし、問題はその為に支払う建設コストです。何十億円という金額に見合うだけのコスト削減効果があるのか? もちろんあるならなんの問題ありません。大いに造りましょう。
逆に言うなら、削減されるコストに収まるように造ればよいという事になります。石黒さんは公開討論会の時に「投資対効果」という事を言われましたが本庁舎建設に於いてもそれは当てはまる事だと思います。
さて、職員間の連携を高め、業務の効率を上げる方法は、本庁舎建設だけかというと現在のIT社会では必ずしもそうではありません。
各分庁舎をネットワークで接続し、メールや、グループウェアを活用したらどうでしょう? 電話もIP電話にすれば庁舎間はかけ放題です。設備の導入にお金がかかりますが、本庁舎の建設コストに比べれば微々たるものです。
庁舎はこの先何十年も使うものですが、そういう長いスパンでITの発達を考えてみるとどうでしょうか? 今の技術でもできますが、TV電話や、TV会議は今よりも更に高品位に、安価に利用できるようになるでしょう。
そういう時代がそう遠くない将来にくるであろう今、本庁舎建設に大金を使うというのはどうなのか? そういう事も考慮した方がよいように思います。

それと本庁舎機能というのは、企業で言えばコストセンターでしょう。同じお金を投入するのなら、将来利益を生み出す産業振興や、直接的な市民サービスの向上に使うのがあるべき運営のような気がします。庁舎建設にいくら金をつぎ込んでも後で利益を生み出してはくれませんからね。
石黒さんは本庁舎を前倒しで建設したいと言われておりますが、予算は限られているのですからやはりここは全体の予算・計画の中に位置づけて議論するのが正道だろうと思います。「どこに造るか」という事でこの件に関心が集まりがちですが、この件だけを他から切り離して議論するのは好ましくないように思います。
そう、20年、30年先までのこの地域のグランドデザインの中の一要素として議論した方がいいと思いますよ。
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(*1) 各行政サービスをどの分庁舎で受けられるのか調べようと思って仙北市のサイトを見たのですが分かりにくかった。
トップページに“住民移動の届出”、“戸籍の届出”とあったので、きっとそこに書いてあるんだろうと思って見たら、届出先が“本籍地か住所地”としか書いていない。「これじゃどこの分庁舎だかわかんねぇよぉ(泣)」
で、どこに書いてあったかというと、“各課別の紹介”というページに、地域センターの市民窓口班が行う業務のリストの中にあった。
住民にすれば、どの課が何をやっているかなんて興味は無い。自分が利用したいサービスがどこに行ったら受けられるか分かればいいだけだ。
このサイトの作りを見ていると、サイトを利用する住民の視点でなく、役所から見た視点で整理されているような気がする。
見た目はこぎれいなサイトになったが、内容的にはいろいろ課題があると思う。これはまた後で書いてみたい。
2005年11月03日
新市長誕生にあたって
市長が石黒さんに決まりました。
民間企業の経営感覚を持って戦略的に行政運営をしてくれそうなのでそれには期待をしています。
さて、6/12に「仙北市がスタートするまであと3ヶ月」という文章で、合併するまでこれをやって欲しいなぁという事を書いたのですが、さっぱりやってくれないので、しつこく(笑)同じ事をもう一度書きます。
■合併後20年先までの財政シミュレーション
合併すると自治体の規模が大きくなる為、交付税の交付額が減少するのですが、合併後10年間は合併しなかった場合と同様の算定基準で算定した額が交付され(算定替)、その後5年かけて段階的に本来の額まで減少します(激変緩和)。また、特例債の起債期限が合併後10年間です。
というわけで合併後10年間は財政的に特別な期間なのです。
ところが合併協議会で作成した財政シミュレーションの期間はこの合併後10年間分しかありません。
仙北市の将来の財政状態を正しく把握する為に、20年間分の財政シミュレーションを提示すべきだと思います。
■住民向け「新市建設計画書」
市長選挙の時、候補者の皆さんは「観光の拠点都市」という事を言われたわけですが、これは合併協議会で作成した「新市建設計画書」に書かれている文言です。
この資料が新市の目指す方向を示す資料となっているのですが、おそらくほとんどの方が読んだことがないと思います。まじめな私は読みましたけれど(笑)、はっきり言ってあまりいい資料とは言えません。前にも書きましたが、県に提出することが義務付けられていましたので、それを念頭に書かれているようで、量も60ページ以上あり住民が読むような資料にはなっておりません。
市民向けの「新市建設計画書」を作成すべきだと思います。
そして、それを最終決定された計画とするのでなく、それを元に市民の議論を喚起して、つまりたたき台としてよりあるべき建設計画に練り上げて行って欲しいと思います。
■新市のグランドデザイン
上記の建設計画は、20年先、30年先に仙北市がどうなっているんだというグランドデザインを示すべきものだと思います。
今回の市長選挙で、あれをやりましょう、これをやりましょうと個別の政策を羅列した候補者がいらっしゃいましたが、では「その先に何があるんだ」という事がなければ単発で終わってしまいますし、評価もできません。きちんと目標を設定してこそ、達成状況の評価ができ、個別の政策の良し悪しの判断もできます。
絶対に後で変えてはいけないという事ではないので、20年、30年経ったらこの地域はどうなっているんだというグランドデザインを描いて欲しいと思います。
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仙北市のサイトや、メディアの記事を見ていると、“角館地区”という表現を使い始めているのが気になる。
住所は、角館町なんだからそのまま“角館町”でいいじゃないか。“地区”ってなんだよ“地区”って。おしゃれじゃない。
投稿者 taguchi : 15:21
2005年10月30日
合併特例債は何にでも使えるのか?
合併特例債について国と、県に問い合わせをし回答を頂いておりました。
回答を頂いたのは今年の春の事でしたが、そのうち整理してBlogに書こうと思っているうちに月日が過ぎてしまいました。今日は市長選挙です。これを機会に頂いた回答を公開し共有の情報としたいと思います。
国は総務省自治行政局市町村課さんから、県は秋田県市町村合併支援室さんからご回答頂きました。サイトの問い合わせフォーム、およびメールを使って問い合わせをしたものです。ご協力頂きましてありがとうございました。
さて、以前このBlogに“【合併4】合併に際しての財政措置の一覧表”というタイトルで記事を書きました。合併の時に受けられるいろいろな財政措置について整理したものです。
ざっくりと分類すれば、特例債という債権発行(借金)によるものと、そうでないものがありますが金額は特例債の方がずっと大きいです。で、特例債にも2種類ありまして、一つが建設事業用の特例債で、仙北市の場合の最大起債額は約138億円です。もう一つが基金造成用の特例債でして、最大起債額は約13億円です。
基金とは自治体の貯金のようなものらしいのですが、借金した金を貯金するというなんだか不思議なシステムになっています。
さて、なんと言っても金額が大きいのが建設事業用の特例債でして、合併協議会で最大起債額約138億円のうちの8割、109億円を利用(起債)するとしています。
前回のBlogの記事にも書きましたが、特例債は起債(借金)した金額の7割を返済時に国が肩代わりしてくれるという事で、期待している方もいらっしゃると思いますが、この建設事業用の特例債は何にでも使えるというわけではありません。以下の要件を満たしている必要がある事に注意が必要です。
1. 合併した事によって必要になった事業
2. 基本的に対象は建設事業
3. 「新市建設計画書」に記載されている事業
これを仙北市の場合についてもう少し具体的に問い合わせさせて頂きました。
問い合わせの中身と、回答を表に整理しましたので、下の表をクリックして拡大してご覧下さい。
(表をクリックすると、別ウィンドウに拡大します。)
<参考>
新市建設計画(素案)9/13の素案です。県に提出した最終版があるはずですが、ネットでは公開されていません。PDFファイルでサイズが1.2MBとかなり大きいのでご注意下さい。)
新市建設計画要約図
2005年10月26日
仙北市長選挙公開討論会 その2
仙北市長選挙公開討論会で、討論された幾つかのテーマについて3候補の意見を見てみたい。
(映像を見ながらバーッとメモしたものを元に書いているので、抜けがあったりするかもしれない。もし、重大な間違いなどに気がついたらご指摘頂けるとありがたい。)

■新市の将来像
○石黒さん 観光の拠点都市を目指す。各地域の特徴、個性を尊重。
○田代さん 行財政改革を進める。観光よりも市民が暮らしやすい町づくり。2町の綱引きをなくし、三町村の垣根を取り払う。
○佐藤さん 農林業がこの地域の根幹産業。山間部から農村が壊れてきているのではないかと危惧している。農家に元気に。
三者三様でなかなか興味深い。
■産業について
○田代さん
・農業をやりたい移住希望者に門戸を開く。
・温泉、地熱活用。
・針葉樹、広葉樹のバランスを変える。地球温暖化の防止にも役立つ。
・林道網の整備。
・バイオマスでの発電の実験。
・建設業の活性化、地域の経済対策。
・上下水道の整備。
・水辺の景観保全。
・漁業整備。
・可能な限り地元発注。
・etc
○佐藤さん
・地元で産したものを地元の施設で使う。
・軽トラ100台ならべて青空市場。
・上下水道整備、道路整備が遅れている。
・地元の企業に発注する。
○石黒さん
・仙北市でとれたお米はうまいと言って指名買いしてもらえるようにしたい。
・現在、戦略作物の割合が25%だが、これを50%程度に拡げたい。
ここでは、田代さんが非常に多くの施策を挙げたのが目立った。
田代さんは新市の将来像のところで行財政改革を行うと発言されていたので、コーディネータが「先ほど財政改革と言われましたが、今おっしゃられたのは全部金のかかる話です。どうやってやるんですか?」と質問した。それに対して「必要に応じてやっていきます。いままでは過疎債を活用してきたが、これからは特例債、事業債を活用していきます。」と答えられた。
同じような質問に対して佐藤さんは「創意工夫してやる」と答えられた。佐藤さんは、他のところでも「創意工夫」という言葉を何度か使われていのが印象に残っている。
石黒さんは「投資対効果を考える。行政の支援は継続する支援ではなく、自立できるまでの支援だ。」と答えられた。
田代さん、佐藤さんは、事業を地元企業に発注すると言われている。また、佐藤さんは地元で産したものを地元の施設で使うとも言われていた。一方、石黒さんは外貨を稼ぐという言葉を何度か使われていたが、外に売りたいと言われていたところが他の二人と対比を成している。佐藤さん、田代さんの視線は地域内に向けられており、石黒さんの視線は外に向けられているように感じる。
また、「新市の将来像」のところで観光を第一に挙げた石黒さんが、農業政策において一番はっきりと方針を打ち出している点は注目すべきだろう。
さて、私は東京という巨大消費地から秋田を眺めているが、秋田の人は宣伝ベタというか、商売っ気がないような気がする。
何年か前、ネットで胚芽米を売っている店を探していてたまたま“神代のじゃんご米”を見つけた。胚芽米もあったので角館にいるときに、当然売っているだろうと思って角館の米屋に電話をしたら扱っていないとツレナイ返事。それどころか胚芽米というものすら知らない雰囲気だった。しょうがないので近くで売っているところを聞こうと思って、(たしか)神代の農協に電話したら千葉県とか、静岡県の契約した米屋でしか売っていないとこれまたツレナイ返事。
どうしようかと迷ったんだけど、結局送料払って静岡の米屋から“じゃんご米”買いましたよ(苦笑)。でも、後で聞いたら同じような胚芽米を“じゃんご米”とは違うブランド名で売っていて、それは秋田でも手に入るって言うじゃないですか。「だったら、そう言ってくれよ〜」
角館の米屋さんは消費者のニーズに無頓着のようだったし、神代の農協の電話に出たお姉さんはもうちょっと気を利かせてくれてもよかった。いずれも商売っ気がなさすぎる。
そんなわけで、積極的にやる気になれば拡販の為にできる事は山ほどあるだろうと思う。
地産地消もいいだろう。地元から買えば、お金が外に出て行かない。でも、外に売れるものは積極的に外に売るべきだ。特に競争力があって高く売れるものは、地元で消費せずに外に売った方がいい。また、そういう外に売れる競争力のある商品を開発する事が大事だ。
産業政策は、投資して収益で回収するという発想を持って欲しい。内向きの発想ばかりでは使って終わりだ。ジリ貧になってしまう。

■仙北市の問題について
コーディネータからの質問:行財政改革をどう進めるのか? また、金のかかるインフラ整備と、行財政改革をどう融和させるのか?
○石黒さん
組織機構の改革、改革プロジェクトチームを作る。
スケールメリットによって人員に余力が出てくるので、いままで外注していたものを職員でやるようにする。
○田代さん
徹底したコスト感覚で、改革をしていかなければならない。
地域、集落あっての仙北市である。
10年で職員を200人削減することになっているが、これを前倒しにする。その為に民間に委託をする。
○佐藤さん
民間でやれないことだからこそ行政がやる。
いままで役場は敷居が高かった。役場を住民がもっと利用し易い環境にする。
分庁舎は住民が困る、本庁舎方式にする。
石黒さんは組織改革によって生じた人的余力を使って民間委託していたものを内部でやると言い、田代さんは逆に職員削減を前倒する為に民間委託すると言っている。ここでは、石黒さんと、田代さんが対象を成しているところが注目される。
さて、ここで佐藤さんから本庁舎の発言があったので、コーディネータから本庁舎建設について質問が出された。
■本庁舎建設について
○佐藤さん
(前項に同じ。分庁舎は住民が困るので、本庁舎方式にする。
場所とか、地域センター等については発言する機会がありませんでした。)
○田代さん
分庁舎方式が長く続くのは好ましくない。
職員の退職を見越して(建設時期を)考えないといけない。
場所は、角館と、田沢湖に近いところ。
○石黒さん
本庁舎機能を一箇所に。今のIT時代だからコンパクトにできる。
本庁舎建設の前倒し立案。
旧町村の出先(地域センター)は必要。
場所は、三町村が隣接する地域に。
本庁舎を作るという点においては3人とも同意見であり、この点においては有権者に選択の余地はない。
ただし、どのような本庁舎にするか、つまり大きく本庁舎に一本化するのか、本庁舎機能だけの最小限の構成とし地域センターと並存させるかなどについては考えが異なっているように思う。これについては時間がおしていた為詳しい話が聞けなかった。選挙期間中にそれぞれの考えを明らかにしてほしいところだ。
■市長になったら必ず実現する公約
○石黒さん
市民の声を吸い上げる仕組みを作る。町内会の声を吸い上げる機構を作りたい。
本庁舎建設の前倒し立案。市庁舎は、市民融和のシンボルである。
○佐藤さん
全てのことに優先して市民のことを考えてやる。
矢祭町の町長のいいところを真似したい。
自分の給料は下げてもいい。
○田代さん
すぐやる課を作る。
行政懇談会を定期的に開催。
地域間でバランスの取れていなインフラ整備。
2005年10月23日
仙北市長選挙公開討論会 その1
10月18日仙北市長選挙公開討論会が行われた。
その様子を録画した映像をきたうら花ねっとさんで見た。(映像の公開は22日で終了しています)

そういう討論会が企画されているという話を聞いたときは「どうせ、三人から似たような話を聞かされるだけだろう」と高をくくっていたが、見てみると3候補の考え方の違いがよく分かる非常に有意義な討論会だった(私には仙北市の選挙権はないんですけどね)。
700人あまりの方が参加したらしいが、参加した方、映像を見た方はみな有意義な討論会だったと感じたのではないだろうか。討論会を実施しよういうアイデアはあってもそれを実行に移すのは大変なことだったと思う。初めての事で色々苦労されたのではないだろうか。討論会を企画、実施された方々に敬意を表したい。
今回この討論会が成功したことで、おそらくこの形がこの地域の今後の選挙のスタンダードとして定着していくだろう。抽象的なスローガンや、実現性のない政策を掲げて、選挙カーで名前を連呼するだけの選挙の時代が終わり、一つ先の時代に進んだような気がする。
公開討論会を開催したこと自体が画期的な事だったと思うが、さらにその様子を撮影した映像をネットで配信した事も画期的であった。
おかげで東京にいる私も討論の様子を生々しく見る事ができたし(選挙権もないのに回線を圧迫してすいません。)、当日都合がつかなくて参加できなかった多くの人たちも討論会の様子を見ることができたわけだが、映像で見たものを文章にまとめようとしてみて思ったのは「映像の力は、やっぱり大きいなぁ」という事だ。
コーディネータ氏の鋭い質問に候補者が答え難そうにしている場面があった。それこそ本音が見え隠れしている部分であり、それを伝えたいのだが、文章にしてしまうとその様子がまったく伝わらない。「答え難そうにしていた」と書けば伝わるかもれいないが、それでは主観が入ってしまう。主観を排して、淡々と発言された言葉を文章にしていったのでは一番伝えたいところが伝わらない。これは活字の限界である。
そういったところまで考えて映像での配信をされたのかどうか分からないが、映像で配信された事によって、質問に答える候補者の話し振りや、顔色などからその発言内容への真剣さ、信憑性を感じ取ることができた。映像で配信したことは大正解だったと思う。
また、討論会のコーディネーター(進行役)を外部の方にお願いした事も正解だったと思う。日経新聞の記者であったの勝又氏の遠慮のない鋭い質問によって候補者のありのままの姿があからさまになるシーンが何度もあった。地元の人間ではあそこまでは言えないだろう。
最近、マニュフェスト選挙という事がよく言われるが、単に人を選ぶのではなく、政策を選ぶという選挙が世界的な潮流となっている。討論会も『人の選択』から『政策の選択』へという同じ流れに乗るものだろう。ヨーロッパから始まったこの流れが、遠く離れたこの地にも浸透してきているのを見て政治のあり様も世界と無縁ではいられないのだなぁと感じる。
しかし、同時にこれは有権者が政治や、社会に関心をもって参画しなければならない時代になってきた事も意味している。人の選択なら信頼できそうな人を選んで後はお任せでよかったが、政策を選択するためには政策の良し悪しを有権者が判断できなければならない。参加する権利は、参加する義務と一体だ。
かつて政治に於いては、政治家の知識・情報と、有権者の知識・情報には大きな差があり、任せざるを得ないという状況もあった思うが、現在はTVの政治討論番組や、インターネットの普及などによって有権者の持ちうる知識・情報は政治家のそれとさして変わらなくなってきている。こうした環境の変化が『人の選択』から『政策の選択』へという流れを作り出しているのだろう。
この『人の選択』から『政策の選択』への流れを本物にするためには、有権者一人ひとりが関心を持って積極的に社会に参画するように意識が変わって行かなければならないと思う。

さて、話が随分横道にそれてしまったが討論会の話に戻そう。
討論会は3時間にわたり、あらかじめ提示されていたいくつかのテーマに沿って行われた。
討論会と言っても、候補者同士が直接討論し合うのではなく、3人が順番にそのテーマについての考えを述べ、コーディネータ氏がそれに質問するという形式だった。
3人の発言が一致するテーマもあったし、異なるテーマもあったわけであるが、全体を通して見たときに石黒さんと、他の二人(田代さん、佐藤さん)の間に基本的な発想の違いがあるように感じられた。
佐藤さん、田代さんは「行政が何をするのか。」という発想であるのに対して、石黒さんは「民はどうあるべきか。それを行政はどう支援するのか。」という発想のように思えた。これは、石黒さんが民間企業出身で、他のお二方が行政の職員出身だという事と無関係ではないように思う。
長くなったので今日はこの辺で。
2005年10月16日
角館町のホームページが更新停止
前回のBlogの更新が7/1。
なんと、2ヵ月半ぶりの更新。その間に夏が来て、お祭りが来て、合併して...
気がつけばカレンダーの残り枚数も少なくなってきた。いや、ほんとに月日の経つのは早い。

角館町のホームページが更新を停止した。
トップページに、合併して仙北市になったので仙北市のホームページをご覧下さいと書かれている。
そう、このことは随分前から気になっていた。合併したら角館町のホームページはどうなってしまうんだろうと。
私は旅行を計画するとき、旅先の選定段階でその候補地の自治体のホームページから情報を収集する事が少なくない。
googleなどの検索エンジンで地名を検索すると、自治体のホームページが上位に表示されるという事もあるのだが、自治体のホームページの情報を頼りにしているという事もある。
旅館や、個人のホームページなど一般のホームページだと、情報に偏りがあったり、更新されずに古い情報がそのまま載っていたりする心配があるのだが、自治体のホームページの情報は網羅的で、更新も頻繁にされているので信頼性の高い情報が得られる。逆に「この旅館がよかった」とか、「ここがお勧めスポットだ」といった主観的だが深い情報は載っていないので、それはまた他のホームページで更に調べることになるんだけど、旅先を選定している段階で、初めて訪れる土地の概観を知るのに自治体のホームページは好適なのである。
これは、いつか整理してから掲載しようと思って寝かせてしまっていたんだけど、毎月「広報かくのだて」に町の人口などの統計情報と共に、角館町のホームページへのアクセス数が掲載されていた。これを一年を通して見ると花見などの観光のシーズンに合わせてアクセス数が増減しているのがよくわかる。つまり、角館町のホームページにアクセスしているのは、町に住む人ばかりでなく観光客が相当数いるということである。町の人たちのアクセスは観光シーズンに影響されないことを考えると、おそらく半数以上が観光客によるアクセスだと思われる。
また面白いことに、この観光客によるアクセスのピークは、実際の観光シーズンよりも少し手前にズレいている。これは私同様旅行先の選定段階でアクセスしている事を示しているのではないだろうか。
この旅行先の決定にも一役買っていると思われる角館町のホームページが合併によってどうなってしまうのか前から気になっていたのである。
さて、現在googleでも、yahooでも“角館”というキーワードで検索をすると、この角館町のホームページが一番上に表示される。
角館町のホームページが廃止されば、これらは検索エンジンから消えてしまう。その代わりに仙北市のホームページが一番上に表示されるようになるかと言えば「角館」というキーワードとの結びつきが弱いのでそうはならないだろうし、仮に上位に表示されるようになったとしても「角館」の旅行案内としては現在に比べて弱くならざるを得ない。
また、個人のパソコンの“お気に入り(ブックマーク)”に登録されているものや、旅行社などのホームページに記述されたリンクはリンク切れになってしまう。
こういったことを考えると、現在の角館町のホームページは廃止せずになんらかの形で継続すべきだと私は思う。せっかくの資産をみすみす捨ててしまう事はない。
では、どういう形のホームページにしたらよいだろうか?
いままでは町(行政)のホームページであったから行政関係の情報がメインであったが、それらは仙北市のホームページに移行したので行政関係の情報を載せる必要はない。これからは観光客がメインユーザだから角館の観光情報専門のホームページにすればいい。
運営母体は、仙北市というわけにはいかないだろうから、角館町観光協会か、確か自治区を置くことになっていたと思うので角館町自治区が引き取るのがよいのではないだろうか。
現在のアドレス(URL)はそのままで、内容を角館の観光のホームページに変える。行政の情報を求めてアクセスしてきた人のためには、トップページに仙北市のホームページへのリンクを張っておけばよいだろう。
リンクの切れ目が、縁の切れ目にならないようにしたい。
※最近は、“ホームページ”と言わずに“サイト”という言い方が一般的になってきていて、私も通常“サイト”と書いているが、角館町のサイトに“ホームページ”と書いてあったのでここでは“ホームページ”で統一した。
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ちょっと技術的なことを言うと、ホームページのアドレス(URL)がhttp://www.town.kakunodate.akita.jp/となっていて、akita.jpという公的性格を持つ地域型ドメインのサブドメインになっているのが気になる。
jpドメインを管理している(株)日本レジストリサービスの技術細則の「2.2.1 一般地域型ドメイン名」に「自治体の統廃合があった場合、登録済みのドメイン名を存続させることもできる」とはあるが、「登録者に対して、混乱を避けるために新しい表記に従った地域型ドメイン名へ変更することを依頼する」ともある(*1)。
確かに古い自治体の使っていたドメイン名を残すことが混乱の元になることもあるだろう。例えば、新しい仙北市のドメインはcity.semboku.akita.jpであるが、綴りを良く見ると、senbokuではなくsembokuとなっている。旧仙北町のURLがtown.senboku.akita.jpで既にsenboku.akita.jpが使用されている為ではないかと思うんだけど...
永続性のある名前でありメールアドレスなどにも使われるのだから、これが原因であるならば正しい綴りが使えるように解決して欲しいとは思う。
しかし、kakunodate.akita.jpというドメイン名を存続させたとしても、他の市町村のドメイン名との紛らわしさはなく、こういった混乱の心配はない。
個人のブックマークや、他のホームページに登録されているリンクを修正することを考えると、変えることの方が却って混乱が大きい。town.kakunodate.akita.jpを残すことについては十分調整可能ではないかと思う。
(*1 この条項は「一般地域型ドメイン名」についてのものであり、town.kakunodate.akita.jpはおそらく「地方公共団体ドメイン名」に分類されるので、別段抵触しないのかもしれない。ここら辺は(株)日本レジストリサービスの定めた規則も今ひとつよくわからないところがある。)
投稿者 taguchi : 06:07 | コメント (3)
2005年06月12日
仙北市がスタートするまであと3ヶ月
お祭りまで3ヶ月を切ったわけですが、合併して仙北市がスタートするのが9/20ですのでこちらも残すところ3ヶ月あまりとなりました。
町長選挙が行われたのが3/13ですので選挙の結果が出てからちょうど3ヶ月。その後、合併の作業はどのように進んでいるのでしょうか? 角館を離れているとなかなか様子がわかりません。
選挙を振り返ってみると「あまり議論は深まらなかった」というのが私の印象です。
選挙が近づくにつれて、合併か、単独立町かの判断基準は、“財政問題”だという事が鮮明になってきたと感じていましたので、選挙ではより具体的な財政予測が示され、議論が深まるだろうと期待していました。しかし、いざ選挙になってみると角館南高校の統合など直接合併と関係のない問題が取り上げられ、財政について詳細な情報が提示される事はありませんでした。今からでもきちんとした財政予測を提示すべきでしょう。
こうした「合併に向けて提示すべき」と私が考えるものをいくつか挙げてみます。
■合併後20年先までの財政シミュレーション
合併協議会で提示した財政シミュレーションは10年分しかありません。
以前指摘したように、当初の10年間は特例債などが使える特殊な期間ですので、今後の新市の財政状況を把握する為に十分な期間とはいえません。最低でも20年は欲しいところです。
合併して特例債が使えるようになった事によって、もう財政的な問題はクリアになったと考え、特例債を使った事業にばかり関心が集まったりしていないでしょうか?
本当のところはどうなのか、合併後20年以上の財政シミュレーションを提示すべきだと思います。
■住民向け「新市建設計画書」
県に合併申請する際に「新市建設計画書」というものを提出する事が義務付けられていました。
この計画書に記述されていない事業は、特例債の対象事業にならないということで、なんでもかんでも盛り込まれてしまい、あまり実体のないものになってしまったように感じます。また、量も60ページ以上あり住民が読むのには向いていません。
実体に即した建設計画書を作成し、住民に提示すべきではないでしょうか?
■新市のグランドデザイン
前記の建設計画書に記載することになると思いますが、今後20年先、30年先の市のグランドデザインを作成すべきだと思います。
この10年間に、合併特例を使って100億円以上の建設事業を行う事になると思いますが、この事業はこの先数十年の新市の事業全体に大きな影響を与えるものと思います。
特例債を使った事業を具体的に予算化するにあたって、その都度特例債を取り崩して使うのでなく、先ずはじめに今後20年,30年先のあるべき新市のグランドデザインを作成し、それに従って後年度に具体的に予算化して行くという形をとるべきでしょう。そうしないと、この地域が将来どういう姿になっていくのか、また角館町はどうなってゆくのか分からず不安だと思います。
住んでもいないのに勝手なことを書いていますが、ご意見ありましたらコメント頂ければと思います。
投稿者 taguchi : 14:11
2005年04月17日
やるなぁ、角館町議会
先週の金曜日(4/8)のさきがけ新聞のネット版に、角館町議会が給与・報酬削減を決めた事が載っていました。
町長、議長、議員の給与・報酬を30%カットするとの事。
合併すれば財政的に一安心と思っていた人も多いと思います。私もそう思っていました。町議会のこの決定は、そんなぬるい気持を吹き飛ばしてくれました。
合併しても財政は厳しい。合併しても行財政改革を進める努力を継続していかなければらならない。そう言っているような気がします。
この削減によって、合併する3町村の中で角館町の給与・報酬が一番少なくなったものと思います。今回の削減は、合併後の仙北市の市長、議長、議員の給与・報酬に大きな影響を及ぼすでしょう。そして、仙北市の職員の給与にも少なからぬ影響を与えるものと思います。
議員の意向を優先し、住民の意向を軽んずる自治体もある中、これから行財政改革を進めて行くに当たって、先ず自らの襟をビシッと正して見せた今回の角館町議会の決定に私は大きな拍手を送ります。
「やるなぁ、角館町議会」 「さすがは角館だ!」
投稿者 taguchi : 01:22
2005年04月04日
4月になりました
4月になりました。
新年度です。学校は新学期ですね。
武家屋敷のライブカメラで見る景色もすっかり春です。今年は、3月半ばになっても雪が降る長い冬で、いつになったら春が来るんだろう、今年は来ないんじゃないか、なんて心配していましたが、ちゃんと来てくれるもんですね。春は。
さて、三町村の合併が県に申請され、三町村は合併し、9/20から仙北市になる事になりました。
3月中は連日、新聞のネット版に角館の合併関連の記事が載っていましたが、合併の手続が完了した途端パタッと止みました。毎日チェックして、掲示板に載せていたので、なんか寂しいです。
合併して仙北市になりますが、このサイトは“ふるさと仙北市”に変わったりはしません。“ふるさと角館”のままです。だって、俺の故郷は“角館”ですから。いままでと、なにも変わらない『かくだてのサイト』です。
結局、去年の5月に“徒然なるままに...”のコーナーで書いた『“町”と、“まち”』の時点に戻った感じがします。“まち”という言葉には2種類意味があって、それは自治体としての“町”と、おらほの“まち”といった場合のまちだ。そして、自治体としての“町”は合併しても、おらほの“まち”は、何も変わらないということを書きました。
自治体が合併しても、角館の山河はなにも変わることなく、ここに在ります。
季節は、地上の人間たちの喧騒など、気にも留めずに超然としてめぐっています。長かった冬も終わり、また今年も春が来て、武家屋敷や、桧木内川の土手に美しい桜の花を見せてくれるでしょう。
角館の山河も、歴史ある角館の町並みも、角館衆の“まち”への想いも何も変わることなくここにあります。
投稿者 taguchi : 02:21
2005年03月18日
【合併6】合併で得るもの、失うもの
合併推進を唱えた石黒さんが当選をしました。
石黒さん4,843票、太田さん4,134票。709票差という実に僅差でありました。
当サイトの投票では、
合併した方がよい:13票
単独立町の方がよい:27票
どちらでもよい:1票
という結果で、単独立町が2/3を占めておりました。
“祭りばがけの会”の掲示板でも単独立町が優勢のようでしたので、ネット上の傾向と実際の投票結果とはかなり開きがあったわけです。
その原因は考察を要するところですが、とりあえず次の点が指摘できます。
・本サイトの投票の合計が41票という事で、絶対数が少ない
・“祭りばがけの会”も、本サイトも旧角館町内の人のアクセスが多い
・PCを持ち、ネットに接続している人の意見に限られる
旧角館町内に住み、PCを持ち、ネットに接続している人達と、そうでない人達の間に、合併について大きな意見の開きがあったという事でしょうか。
■合併で得るもの、失うもの
さて、合併推進派の石黒さんが町長に当選し、角館町は三町村での合併に向けて作業を進めていくものと思います。
まだ、途上の事なので今こういう話をするのは適当でないかもしれませんが、合併で得るものと、失うものを考えてみたいと思います。
<<合併で得るもの>>
・財政の安心感
合併で得るものは、なんといっても当面の財政の安心感でしょう。
この10年で(借金も含めて)100億円以上の事業を行えますので、この10年間に建て替える予定だった学校や、病院などの建設の財源とすることができます(ただし、合併と直接関係のないこういったことにこのお金を使えるならば)。
ただ、前にグラフで示しましたように国や県から入ってくるお金が単独立町を上回るのは当初10年間だけですし、合併特例債の3割の償還(返済)をしなければなりませんから、逆に11年目以降は厳しくなる事が予想されます。
また、これは三町村で公平、公正にお金が使える事が前提で、2対1の構図が今後も続き、お金が偏って使われるならこの限りではありません。協議会再開に際して、2対1の構図はきちんと解消する必要があります。
・景気への好影響
この10年で(借金も含めて)100億円以上が建設事業に使われ、地域にお金が落ちるでしょう。単独立町の場合は緊縮財政にならざるを得ないでしょうから、合併した方がこの10年の地域の景気にプラスの効果があります。
ただ、注意が必要なのは、単独立町に比べてという事であって、現在に比べてという事ではない点です。グラフを見ていただければ判るとおり、合併特例債等でお金が入ってきても、普通交付税が減っていきますので、その分減額して考えなければなりません。
・角館南高校の存続
これは、実際のところどうなんでしょうか?
角館南高校出身の方は、これを判断のポイントにされた方も少なくないと思うのですが、県立高校ですし、合併にはあまり関係ないようにも思うのですが... 今後の動向を見守って行きたいと思います。
<<合併で失うもの>>
・自決権
あまり意識されてないと思うのですが、合併推進の石黒さんが当選し、このまま合併すれば、角館の人が角館町の為に投票する選挙は今回の町長選挙が最後の選挙だったということになります。
“角館町”がなくなるのだから当たり前だと思われるかもしれませんが、“仙北市角館町”という住所が存在し、自治体と関係なく「角館」という“まち”が存在し続けても、そこに住む人たちが自分達の“まち”のために投票する選挙は今回が最後になります。議会もなくなり、単独の予算もなくなりますから、これからは角館の(行政上の)事を角館の人達だけで決めることが出来なくなります。
・「おらほの町」へ集まった熱い思い
合併で失う一番大きなものは、今回の事をきっかけに「おらほの町」に集まった熱い思いのような気がします。
“祭りばがけの会”の掲示板に、単独立町した場合の厳しい財政状態を乗り切るために町民がボランティアで除雪や、施設の修繕などをしようじゃないかという事を書かれた方がいらっしゃいました。「おらほの町」の為なら、知恵も出すし、汗もかく。そんな「おらほの町」へ集まった熱い思いが、合併によって消えてしまうのはとても残念です。
「ボランティア程度じゃ追いつかない」とおっしゃる人がいるでしょう。財政的には確かにそうかもしれません。
しかし、特例債や、補助金は、外から入ってくるお金です。景気の下支えにはなっても、根本的にこの地域の経済を良くするわけではありません。詰まるところ、町の経済・社会を良くするのは、町の人達一人ひとりのがんばり以外にないと思います。
国が示した10年間で普通交付税の3割削減(するらしい)は、単独立町には厳しい条件です。合併は、現実的な選択だったのかもしれません。しかし、長期的に見たとき、活力ある豊かな地域社会を作る為には、「おらほの町」への熱い思いこそ一番必要なものではなかったかと思うのです。
(参考:単独立町する小坂町では、「未来創生基金」という町作りの為の基金を創設し、住民や、町外に住む小坂町出身者から寄付金を募るとの事。 さきがけonTheWebの記事)
投稿者 taguchi : 01:20 | コメント (2)
2005年03月08日
【合併5】財政措置によるプラスと、普通交付税の減額によるマイナス
“【合併4】合併に際しての財政措置の一覧表に”、合併すると貰えるお金について整理しました。
貰えるお金について書いたので、減る方の事も書きます。
“【合併 3】デメリットも、メリットも隠さず見せてフェアに”に書きましたが、合併すると普通交付税は減額になります(秋田県の市町村合併のサイト(PDF)参照)。
合併後10年間は、算定替えという制度によって合併しなかった場合と同額の普通交付税が交付されますが、11年目から減少します。しかし、合併協議会の財政シミュレーションは10年間分しか記述されていない為、その様子を見る事ができません。
ポイントは、最終的に合併後の普通交付税がどの程度になるかですが、「基本的推計方法」(PDF)の普通交付税の欄に『H27からは、一本算定(10.9%減)へ5年間(H27〜H31)漸減。』と書いてあります。合併後16年目からの一本算定(新市の基準で算定)においては10.9%減になるという事のようです(この一箇所以外どこにも書いてないんですけどね)。
この数字の根拠は確認できておりません。この数字が、例えば人口の減少などによって変わらないものなのかどうかも判りません。以前にも書いたように、11年目以降の財政シミュレーションもきちんと示してほしいと思います。
さて、普通交付税が10.9%減少するらしい事がわかりましたので、これと前回整理した合併した時に貰えるお金を合わせて、合併した場合と、しなかった場合とで国と、県から入ってくるお金が25年間でどう変化するのかグラフ化してみました。
図をクリックすると拡大します。
図をクリックすると拡大します。
間違いがありましたら、お手数ですが掲示板までご指摘下さい。間違っている事がわかり次第、速やかに訂正します。
※このグラフは、第三者による検証を受けていません。間違っている可能性もあります。どうか、鵜呑みになさらないようにお願いします。議論の際の叩き台としてご利用頂ければと思います。
このグラフで示したかったのは、合併した時はお金が入ってきても、11年目以降は逆転してしまうという事です。11年目以降逆転するのは間違いないはずです。
「そんなことぐらい、知ってるよ」と言われるかもしれませんが、他サイトの掲示板などを見ていると必ずしもよく理解されていないような気がしたので一応書くことにしました。
■グラフの概要
このグラフで表している数字は、「普通交付税+合併時の財政支援のうち貰える形になる額」です。歳入全体を表したものではありません。。
また、ここで言う普通交付税は、合併特例債の償還用の交付税のようなイレギュラーなものは含まれていません。合併協議会の財政シミュレーションでは、こういった交付税も含んだ形(“合併特例債分”という項目)で記載されていますのでご注意下さい。
赤い線が“合併した場合”、青い線が“合併しなかった場合の三町村の合計”です。表では、B.合併した場合の行、A.合併しない場合の行にそれぞれあたります。
見てお分かりの通り、最初の10年間は合併時の財政支援がありますので赤線が上回り、11年目から逆転し、以降はずっと青が上になります。ですので、最初の10年間で上回った109.2億円分はどこかの時点でチャラになります。とは言うものの、109.2億円というのは大きな数字で、かなり先にならないとチャラになりません。
もっとも、合併すると貰える109.2億円とは別に自己負担が44.7億円発生します。その内38億円は借金ですので、それを差し引くとチャラになる時期は早まりますけどね。
■数字の根拠
普通交付税から考えます。
普通交付税は、合併すると一つの自治体としては人口が増えますので減額になります。
しかし、最初の10年間は算定替えという制度で合併しなかった場合の三町村の合算額と同じ額が交付されます。ですので、合併協議会の“財政シミュレーション(PDF)”から最初の10年分の数字を拾いました。(ちなみに、財政シミュレーションでは、県からの「三位一体の構造改革の影響で10年間で普通交付税が30%ぐらい減るだろう」という話に基づき、前年度比3%減で10年間減少させているそうです。)
これが、最初の10年間の青い線(合併しない場合)になります。
赤い線(合併した場合)は、これに特例債や、補助金なのが上乗せされます。上乗せ分は、表では、“C.合併時増加分”という行になります。この内訳は、その下の行に書いてある通りで、9/13版の財政シミュレーションから数字を拾いました。但し、特例債については、9/13以降に80%しか利用しないように変更されたようですので、9/13版の数字に80%を掛けています。最新の財政シミュレーションとは各年度の数字が若干異なっているかもしれませんが、10年間の総額(76億円)はあっているはずです。
合併協議会の“財政シミュレーション(PDF)”は、10年分しかありません。11年目以降の交付税については、三位一体の構造改革による大きな変化は収まっているだろうと考え、三町村の人口の推移に合わせました。
これが11年目以降の青い線になります。
赤い線(合併した場合)は、11年目からは、激変緩和期間に入ります。
5年間で、90%, 70%, 50%, 30% 10% と段階的に減っていき、16年目には新市の基準に従った交付額まで減少します。この減少額が、先に書きました10.9%減という数字です。これが妥当な数字なのかどうか裏付けは取れていませんが、ここではその数字を使っています。この数字になるように5年間かけて減少させ、16年目以降は、単純に青い線の数値から10.9%引いて(実際には、89.1%を掛けて)います。
この減少分が、表の“D.普通交付税の減少”という行になります。
■グラフを見る際の注意
・扱っている項目
ここで扱っている項目は、普通交付税と、“【合併4】合併に際しての財政措置の一覧表”で書いた財政措置のうち貰える形になる額だけを扱っています。
で、先ほど書きましたように、ここで言う普通交付税は、合併特例債の償還用の交付税のようなイレギュラーなものは含まれていません。
これらの項目を対象にしたのは、合併した場合と、しなかった場合とで大きく額が異なり、財政状態を知る上での目安になると考えたからです。
・歳入全体のどの程度にあたるのか?
ここで記述した額が、歳入のどの程度の割合になるのかですが、グラフでは合併した場合の平成17年の金額が 8,074百万円となっています。財政シミュレーションでは平成17年度の歳入は18,526百万円となっていますので、歳入全体はこのグラフの2倍ちょっとと言う事になります。
■ご協力をお願いします
自分で言うのもなんですが、グラフにすると判りやすいと思います。
このグラフや、【合併4】合併に際しての財政措置の一覧表について、去年作成した「曳山運行ムービー」や、いま作成している「人形場面データベース」のように、皆さんのご協力で正しいものに仕上げていければと思います。
特に、行政のご担当の方は、詳しい事と思いますのでご協力頂けるとありがたいです。
合併しても、しなくても、議員の数は大幅に減り、職員の数も減り、限られた予算で行政を運営していかなければならないものと思います。これからの行政は、いままでより以上に住民の参画が求められるのではないでしょうか? いままでは、行政というとちょっと敷居が高い印象がありましたが、これからは敷居をぐっと低くして、住民と一緒になりながら運営していく。そんな形になるんじゃないかという予感がします。
そういう意味でも、行政を担当されている方のご協力を頂ければありがたいと思う次第です。
投稿者 taguchi : 00:23
2005年03月07日
【合併4】合併に際しての財政措置の一覧表
・合併特例債は、「借金」なのか、「貰えるお金」なのか?
・何にでも使えるのか?
こういった事についての、認識がまちまちのようです。私もよくわかっていませんでした。
3/13に正しい判断をする為には、正しい認識が必要だと思いますので、私も大してわかっちゃいませんが、調べた事を書きたいと思います。
間違いがありましたら、お手数ですが掲示板までご連絡下さい。間違いが確認できれば、速やかに訂正したいと思います。
■合併した場合に貰えるお金は、合併特例債だけなのか?
合併特例債の事がよく話題になります。私もブログに合併特例債の事を書きました。合併特例債は確かに全体の中で大きな割合を占めていますが、それ以外のものもありますので一覧表に整理してみました。
表を見るときに注意して頂きたいのですが、合併特例債と、他のものは性質が異なります。
合併特例債は、債券を発行して資金を得ますが、これは償還(返済)しなければなりません。つまり、借金です。ただし、その償還費用の70%が後年度の普通交付税に上乗せされて交付されますので70%は国が肩代わりしてくれる形になります。
起債できるのは、全事業費の95%です。その70%ですから全事業費の66.5%、およそ2/3は国が負担してくれ、残り1/3が新市の負担となります。国が2、新市が1の割合で負担って事ですね。(正確に言うと、借金ですからこれ以外に金利があります)
一方、合併特例債以外のものは、債券を発行するものでありません。そのまま貰えるお金です。
(表をクリックすると、別ウィンドウに拡大表示します)
■合併特例債
合併特例債の内訳は2つあります。
(1) 合併後の市町村のまちづくりのための建設事業に対する財政措置
(2) 合併後の市町村の振興のための基金造成に対する財政措置
総務省の、合併特例債を自動計算してくれるページで計算したところ、3町村合併した時の特例債は次のように計算されました。
1.合併特例債
(1)合併後の市町村のまちづくりのための建設事業に対する財政措置
標準全体事業費:約145億円
起債可能額:約138億円
普通交付税算入額:約96億円
(合併後人口:33565、増加人口:18889)
(2)合併後の市町村の振興のための基金造成に対する財政措置
標準基金規模の上限:約19億円
合併特例債充当額:約18億円
交付税参入額:約13億円
合併協議会の会議録(11/26)によれば全額を使わずに80%と見込んで109億円とあります。これは、(1)の建設事業に使える起債可能額138億円の80%の事と思いますので、表では起債額を109億円にしてあります。これから、事業費を逆算すると約114.7億円となり、そのうち自己負担は38.4億円、国から貰えるのは76.3億円と言う事になります。
(2)の基金造成分については、9/13開催の合併協議会で提出された「基本的推計方針」に、次のようにあります。
『合併特例債(基金分) 標準基金規模の上限を3年間に均等発行(H18〜H20) 積立額 630,000千円/年×95%=598,500千円/年』
598,500千円/年×3年間で1,795,500千万円ですから、合併特例債充当額の約18億円にあたり、こちらは上限いっぱい起債するという事のようです。
自己負担は6.3億円、国から貰えるのは12.6億円となります。
従って、合併特例債の建設事業分と、基金造成分を足し合わせると、
自己負担は44.7億円、国から貰えるのは88.9億円となります。(※金利は、無視しました)
■合併特例債以外のもの
合併特例債のものを列挙します。
これらについては、 合併協議会で作成した「基本的推計方針」に、項目別に記載されています。
○普通交付税の算定の特例
“合併補正”とよく書かれているものですが、秋田県の市町村合併のサイトに次のように使途が書かれています。
『合併直後に必要となる臨時的経費に対応するため...』
臨時的経費普通交付税措置 66,956千円×5年(H17〜H21)
3億3千万円
○特別交付税による支援措置
秋田県の市町村合併のサイトに次の使途が書かれています。
投稿者 taguchi : 01:07
2005年02月16日
【合併 3】デメリットも、メリットも隠さず見せてフェアに
当初から、合併のメリットと、合併しなかった場合のデメリットが強調されてきたわけだが、合併にもデメリットはあるし、合併しなかった場合のメリットもある。
一方だけを言うのはアンフェアというものだ。メリットも、デメリットも、みんな机の上に並べて比べてみよう。
ここでは、いままで言われてきた間違った情報、あまり語られる事のなかった合併のデメリット、単独立町のメリットについて考えてみます。
■当初は、「合併しないと地方交付税が減額される」と言われていた
先の資料に示したように、当初は合併しないと地方交付税が減らされると言われていた。
これは間違いで、むしろ逆。
■「合併すると地方交付税が減る」事はあまり説明されなかった
特例債が使える事はアピールされたが、一方交付税が減ることはあまり説明されなかった。
合併すると1自治体としては人口が増えるので人口当たりの行政コストが下がるはずという事で、普通交付税は減額になる。
最初の10年間は、合併しなかった場合と同額が支払われ(算定替え)、11年目からは段階的に減額し(激変緩和)、16年目から合併後の新市の状態に基づいた額になる。
なので、地方交付税の交付額という観点からは、合併しない方が得。(ここで言っている交付税は、合併特例債の償還用の交付税などイレギュラーなものは含まない。3/11追記)では、どこまで減るかが気になるが、これは明らかにされていない。この件については、次項の財政シミュレーション期間が関係している。
■新市建設計画での財政のシミュレーションが合併後10年間と短い
上で述べたように合併後10年間は交付税の算定替えがあり、さらに合併特例債の使用期限が合併後10年間なので、合併後10年間だけに着目すれば当然良い財政状態に見える。
合併後10数年間は特殊な期間であり、新市の財政の将来を見るには短すぎる。最低でも、交付税が新市を基準に算定される16年目、或いは特例債の償還に充てる交付税の交付が終わる年度まで必要だろう。
10年目以降もシミュレートしてあるものと思われるので公開すべきだ。合併後10年間よりは悪い数字になっていると思うが、それもきちんと町民に見せるべきだろう。
■特例債の使途
特例債は、何に使ってもよいわけではない。
特例債は、公共施設を作る為に使う事と規定されている。また、10年間という限られた期間に使わなければならない。
貯めておいて必要になった時に使うとか、職員の人件費に充てる事はできない。何か施設を作って、10年間で使い切らないといけない。これは、特例債が景気浮揚策という意味合いを持っているためだろう。
合併後の交付税は減額になるので、維持コストの嵩む施設を作ってしまうと、それが後の新市の財政をますます圧迫する事になってしまう。なので、学校の建替えなど、どのみち作らなければならない施設の建設などに使うのが適当だ(2/21追記しました)。そうでないなら、確実に黒字になる施設、コストが嵩まない事が分かっている施設の建設に使うべきだ。
「予定外の収入だから、いろんな事に使える」というものではないのですよ。
特例債の償還(返済)の内、7割は国が肩代わりしてくれるので、その分国から貰った形になるが、しつこいようだが合併すると交付税の交付額が減るので、いつかはそれで帳消しになる。
■合併のメリットは、デメリットと裏腹
合併のメリットと説明されてきた事は、反面デメリットにもなる。
町の説明資料に書いてあった合併のメリットを見てみよう。
・『広い視野でのまちづくりが展開できます。(効果的な施設設備)』という事について
広い視野でまちづくりをすることは結構な事だが、同時にそれぞれの地域の事情に合った施策がやり難くなるというデメリットでもある。
結婚前の独り者の時は自由にお金が使えるが、結婚すると奥さんの許可をもらわないと使えなくなるのと同じだ(笑)。
例えば、観光行政を例に考えてみよう。
角館の観光の問題点は宿泊客が少ないという事だ。この問題を解決するために、専門のコンサルタント業者に角館の宿泊施設の調査を依頼したいとする。これは大きな効果があると私は考えているが、さて、いままではこれを角館町だけで決める事ができた。しかし、合併するとそうはいかない。
旧田沢湖町出身の議員は、旧田沢湖町にも宿泊施設はあるのだから、角館の宿泊施設だけを対象にするのは不公平なので田沢湖の宿泊施設も対象にすべきだと主張するだろう。じゃぁ、そうしましょうかという話になったとする。ところが、田沢湖町の宿泊施設の数は角館と比較にならないぐらい多いから予算が大きく膨れ上がってしまう。さらに、田沢湖は、宿泊客という点では角館ほど深刻な問題とはなっていないのでこれをやる意味が角館ほどはない。また、宿泊客については田沢湖と、角館は取り合いの関係にあるので、田沢湖出身の議員にしれみれば別にこの議案は通らなくてもOKだ。というわけで、この議案は議会を通らない。
合併するもの同士が同じような課題を抱えている場合はいいが、それぞれの地域固有の課題の解決は却ってやり難くなってしまう。
・『施設が効率的な配置になり利用エリアが広がります。(類似施設の重複回避)』という事について
これもそうなんだけど、一般論としては間違ってはいない。じゃあ、この三町村の場合どうなのかと考えてみると、必ずしもあてはまらない。
大仙市における大曲のように地域の中核都市が存在したり、比較的大きな町が中央に位置するような地域の合併なら、そこに施設を集中させる事によって利用効率を上げる事ができるのでここで言っている事は正しい。
しかし、この三町村の場合は同じぐらいの規模の二つの町が離れて存在しており、中間地点は田園地帯だ。
どちらか一方に施設を造れば、他方の住民が困るし、不公平感が生ずる。中間地点に造れば、不公平感はなくなるが、誰にとってもあまり便利ではないという中途半端な事になる。
例えば、公立角館総合病院と、町立田沢湖病院を統合して一つの病院にする事でより充実した医療ができる可能性はあると思うが、それをどちらかの一方の場所に移転する形で統合したら他方の町の人は困るだろう。では、中間地点に近い西木村に建設したらどうだろうか? 角館からも、田沢湖からも歩いては通えなくなってしまう。
■当初まったく想像しなかったデメリット
合併協議が進むにつれてだんだん町村間に軋轢が生じてきた。
これを合併のデメリットというのは適当でないという人もいるかもしれないが、実際あちこちの地域で合併が原因で軋轢が生じている。白神市問題における能代市と、山本郡との間のやり取りは酷かった。
三町村での協議が進むにつれて、新市としての一体感が醸成されるかと思いきや、逆に町村の思惑が顕になって軋轢が生じてしまった感がある。
「信頼関係が崩れた」、「2対1の構図が出来た」といったような表現だけであまり多くは語られていない。私も語るべきではないと思うが、推して知るべしである。
もし、これから三町村での合併協議が続くなら、この2対1の構図はきちんと解消されなければならない。議員の在任特例が適用され、その議会で特例債の使途を決めることを思えばなおさらである。
続く...
--------- 追記 ------------
間違っていたかもしれない。
特例債の使途について、『学校の建替えなど、どのみち作らなければならない施設の建設などに使うのが適当だ。』と書いた。
私は、東小学校、西小学校、西長野小学校を統合して作られる新しい小学校の建設に使うイメージだったのだが、この統合小学校の建設に特例債は使えないのかもしれない。
というのは、特例債が使える事業は、
“合併市町村の一体性の速やかな確立を図るため又は均衡ある発展に資するため、及び合併市町村の建設を総合的かつ効果的に推進するために行う公共的施設の整備事業”となっていて、合併と直接関連のない統合小学校の建設には特例債は使えないのかもしれないのだ。
こちらの長野県の作っている特例債の説明のページにある要件に照らしても、当てはまらないような気がする。
まぁ、いろいろ理由をつければ可能なのかもしれないけど、どうなんだろう?
2005年02月15日
【合併 2】合併の背景
「合併しないとやっていけない」
当初からそう説明されてきた。
町民に、合併の是非が問われる事はなかった。はじめから“合併ありき”だった。
当局からは、合併した時のメリットと、合併しなかった時のデメリットが強調されて説明された。
「合併しないとやっていけない」
「合併すれば、広い視野でまちづくりができる」
「合併すれば、国からの財政支援が受けられる」
誰もが「合併するのは当然だ」と思った。
不適切なやり方だったと思うが、こういった説明がされたのは角館町に限った話ではない。
検索エンジンで検索すると合併について書かれたページが沢山出てくるが、行政サイドの作成したページはどこも似たようなものだ。おそらく総務省からの指導があったのだろう。こういう状況を見ると「地方自治」と言うけれど、ほんとに「自治」になっているんだろうかと考えさせられる。こういった状況が、三位一体の改革で改善される事を期待したいが、少なくとも今までは地方自治体が、監督官庁である総務省の方針に従わないなどという事は考えられないことだったのだろう。
今回の住民説明会で、“頑張れば単独立町でやっていける”と言う町長の説明に、町民から「合併しないとやっていけないという今までの説明は何だったのか?」と批判があったようだが、こういった背景があったのではないだろうか。
さて、では何故国は地方自治体を合併に向かわせたのか?
この背景には、現在の不健全な日本の財政状態がある。
ご存知のように今日本は700兆円を超える借金を抱えている。2/14現在、711兆5471億円で、刻一刻増えている (日本の借金時計。たぶん、みなさんがこのサイトを見たときにはこの金額はもっと増えているだろう。)。
財政再建は、待ったなしだ。
国は、地方自治体を合併させてその総数を減らし、地方交付税の交付総額の減額を図る計画だ。目標は3,000以上あった地方自治体を2,0001,000以下に減らすことらしい(一説には1,000300以下とも)。
合併特例債の出費は、短期的には国家財政にマイナスだが、合併してくれればその後の交付税額が減少するので長期的には国家財政にプラスなのだ。
続く...
2005年02月11日
【合併 1】 どこでズレれてしまったのか?
いままでずっと「合併は必要」と説明してきたのに、突然「単独立町でもいける」と言われれば、「いままでの説明はなんだったのよ?」「本当に大丈夫なのか?」と不審に思うのもやむを得ないだろう。
どこでズレれてしまったのか?
私は、最初からズレれていたと思う。
手元に2002年の8月に回覧板として回ってきた4ページものの資料がある。
『市町村合併説明資料』。角館町 企画政策課と書いてある。
2002年の8月と言えば、法定協議会が立ち上がる前の任意協議会の時で、まだ中仙町が協議会に入っていた頃だ。
この最後のページに「合併しない場合どうなるのか?」という記述がある。そのまま転記する。
---------
「合併しない場合どうなるのか?」
●合併特例法のアメである「合併特例債」が使えない。
●地方交付税が削減され、予算編成に支障をきたす。
●新規事業の着手は困難。
●各種補助金のカット、廃止。
●保育料、国保税などの町民負担の増加。
●将来人口の減少により、税収の伸び悩み。
●人件費削減、職員削減により行政サービスが低下。
●大規模な行財政改革が必要。
---------
これ以上の詳細な説明はない。そのまま書き写した。
なんか、“これでもか”、“これでもか”っていうぐらい不安材料が並べてある。
で、一方「合併するとどんな効果があるの?」という記述では、
---------
「合併するとどんな効果があるの?」
●広い視野でのまちづくりが展開できます。(効果的な施設設備)
●施設が効率的な配置になり利用エリアが広がります。(類似施設の重複回避)
●少ない経費でより充実したサービスが受けられます。(人件費削減)
北部4町村(角館町、中仙町、田沢湖町、西木村)での合併の場合
| 区 分 | 現状 | 合併後 | 節減額 |
| 職員数 | 657 | 約440 | 約12億円 |
| 議員数 | 76 | 30(上限) | 約2億円 |
| 長等特別職 | 12 | 3 | 約1億3千万円 |
●合併特例債の試算額(北部4町村で合併の場合)
合併後のまちづくりのための建設事業(10か年度間)に対して、上限で約210億円の借入金(起債)が可能。後で7割の約147億円が普通交付税に算入される戻ってくる。(実質負担63億円)
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合併すると、より良い行政が出来る上に、お金も国から沢山もらえる。
合併すれば良い事づくめ、合併しなければ悪い事だらけ。まさに天国と、地獄。これじゃ、誰だって合併以外に道はないと思うだろう。
こうやって、ずっと説明されて今日まで合併の作業を続けてきたのに、突然「単独立町」と言われたら、「いままでの説明はなんだったの?」と思うのも無理からぬ話だ。
今、読み返せば「そんたに、うまい話ばっかりあるわけねべ」と思うが、当時は「まぁ、そんたもんだがなぁ」と思ったか、或いはまだ先の事と大して気にも留めなかったのではないか。
さて、この資料にはいくつも問題がある。
<合併しないと、地方交付税が削減される>
これは間違い。むしろ逆だ。
合併しない事を理由に地方交付税が削減されるなんて事はない。それどころか、逆に合併すると、合併しない場合に比べて地方交付税は減少する。
<合併しないと、各種補助金がカット、廃止される>
こんな事もないと思うが、あるなら、何と、何なのか明示すべきだ。これじゃ、なんでもかんでもカットされるみたいだ。
<合併しないと、人口減少により、税収が伸び悩む>
合併したって合算した人口は変わらないんだから話は同じはずだ。
人口が減ると税率が下がるというなら話はわかるが。
<合併しないと、大規模な行財政改革が必要>
これは、なんか笑っちゃう(笑) 町民にしてみれば、行財政改革は大いにやってくれという話ではないか。
<資料全体が合併の宣伝になっている>
合併にはメリットもあれば、デメリットもあるはずだ。同様に、合併しない場合もメリットと、デメリットがあるはずだ。これらを全て町民の前に詳らかにしてこそ、町民は合併すべきかどうかの判断をきちんと下す事ができる。ところが、この資料では、合併はメリットだけを 合併しない場合についてはデメリットだけを記述している。これでは、答えは合併しか出てこない。
この資料では、合併のメリットは強調され、デメリットには触れられていない。一方、合併しなかった時のデメリットは強調され、メリットは触れられていない。つまり、町民に“合併”の妥当性を印象付けるような恣意的な内容となっている。
このように、当初から“合併ありき”であって、町民にはきちんと町の実情は説明されず、合併を納得させるような説明しかされてこなかった。その結果、町民は合併する事を当然と思い、その是非をきちんと検討する機会を失ってしまった。
「いままで合併は必要だと説明されてきたのに、今になって単独立町というのは納得いかない」と言われるが、もうスタート時点からズレていたわけだ。
ある意味、ようやくズレをなくして本音が言えた、原点に立ち戻ったという事ではないかと思う。
2005年02月01日
「合併か?単独立町か?」の投票が終了しました
「合併か?単独立町か?」の投票が終了しました。
投票にご協力頂きまして、ありがとうございました。。
最終的な結果は、以下の様になりました。

但し、次のような不完全さや、偏りがあったと思われます。
1. 投票数が36票と、少ない。
2. パソコンと、ネットが使える人しか投票できなかった。
3. サイトの性格からして、旧角館町内の人の比率が高かったと思われる。
4. 現在、角館を離れて暮している人も投票できる。
5. 1人で2回以上投票する事を完全に防げるシステムではない。
こういった不完全さや、偏りがあることを踏まえて、この結果の数字をご覧下さい。
