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2006年03月12日

除雪学序説

 武家屋敷のWebカメラを通してみる景色に「冬の終わり」、「春の訪れ」を感じるようになりました... って昨日の夜この文章を書き始めたんだけど、今日(3/12)Webカメラ見たら「吹雪だねがよぉ!」

 いやいや、三寒四温で春が来ると申しますが、季節の神様はそう簡単に“春”にはしてくれないようです。

March1.jpg

 さてさて、今日書きたかったのは除雪の仕組みの話です。
 なんで今頃除雪なのかっていうと、冬のさんざん雪の降っている時期は除雪する事に一生懸命で除雪の仕組みを考えるゆとりなんてもてないですよね。で、春になって雪が消えると除雪のことを考えても実感が湧かないし、そんなことより「お祭り」の事で頭がいっぱい(そういやぁ、もう今年のお祭りまで半年きったじゃないですか)。というわけで、今なのです。

 こないだの正月休みに帰省して角館駅に降りた時、駅前のでっかい雪の山をみて「なんだこりゃ!」と思いました。凄く降っているとは聞いていましたけどあんなに積もっているとは。「まだ12月だでオイ。このままいったら2月にはどうなるんだ?」って思いました。
 結局正月休みにはせっせと雪かきに精を出したわけですが、そこで思ったのは「除雪のシステムってもう少しなんとかならないもんだろうか?」ってことです。1年前に「徒然なるままに」に書きましたけど、やっぱ除雪って大変だし、少子高齢化が進むとこれから益々除雪の負荷は大きくなっていくだろうと思います。

 角館町には流雪溝の仕組みがありますが、今年はあまりに雪が多かったので、上流で詰まってしまってウチの前の流雪溝は1週間以上も水が流れませんでした。最初は「そのうち流れるだろう」と脇に積んでおいたんですが、いつまでも流れないもんだからもう山のようになってそれ以上積めなくなってしまいました。 しょうがないのでどうしたかというと、たまたまウチのそばにはドンベ(セキ)が流れているのでそこまで運んで流しました。

 ドンベの水深は10cmぐらいでそんなに深くはないんですけどこの程度の水深でも結構流れてくれます。大量に雪をなげてもいつの間にか消えています。
 結局「ドンベの方が流雪溝よりいいねがよ」って話になるんですけど実際ドンベの方がいくつか優れている点があります。


<<いつでも好きな時間に流せる>>
 流雪溝は1日に1回か、2回決められた時間に30分間しか流せませんが、ドンベは24時間いつでも流せます。
 流雪溝の決められた時間というのはほとんどが昼間なので、働き手が昼間仕事に出ている家では年寄りが除雪作業をすることになってしまいます。ドンベならいつでもOKなのでその家の都合のよい時間に流せるので良いのです。


<<詰まりにくい>>
 流雪溝が詰まる一つの原因は、1日に30分という短い時間に沿線の家々が一斉に雪を流すからだと思うんですが、24時間いつでも流せれば雪を流すタイミングが分散されますから詰まる確率は下がります。もし、詰まりそうだったら少し時間をおいて後で流せばいいんです。いつだって流れているんですから。


 というわけで『流雪溝ドンベ化計画』をぶち上げたいと思います

 現在のような流雪溝の仕組みになっている根本には、使える水の量に限界があるという前提があると思います。
 常時流した方が、或いは1日3回、4回と流せた方がいいに決まっているのですが、水の量に限界があるから現在のような形になっているものと思われます。
 しかし、私は思ったんですが、この流雪溝の仕組みって他の町でやっていたものを参考にしたと思うんですよ。で、その町と、角館の地勢的な特徴は同じだろうかと思うわけです。つまり、角館町は桧木内川と、玉川という2つの川にはさまれているのが地勢的な特徴であり前提が違うんじゃないかと。町のすぐ脇を大量の水が流れているわけですから、現在のような流雪溝の仕組みはこの町に必ずしもマッチしていないのではないかと思ったわけです。
 もちろん、低いところを流れている川から水を何メートルか汲み上げなければならないという問題がある事はわかります。ポンプでジャカジャカ水を汲み上げる為には電気代がかかるだろうとは思います。どういうやり方がいいのかは素人なので判断がつきませんが、こんなアイデアはどうでしょう?

 田んぼに水を供給するためにかつて灌漑を行って用水路を整備したわけですがそれは今でも使われています。この用水路は冬の間は使われていないと思うんですけど、これって流用できないもんなんでしょうか? もし、雪を流すには水量が足りないとしても、同様な考え方で流雪用の灌漑を行うことは可能でしょう。川の上流で川の水を用水路に引き込んでそれを角館まで引っ張っればいいわけです。
 十分な水量を確保するのは大変かもしれませんが、流雪溝の水の流れを緩やかにすることで水量を節約することもできます。流雪溝の水深をある程度に保って池のような状態にし、ほんとうにゆっくりと流してもいいわけです。流雪溝と、消雪槽を足して2で割ったような形です。

 ほんとにゆっくりとした流れなら、夏場は鯉を泳がすこともできます。
 なんてね(笑)

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水の力だけで水を吸い上げるポンプです。 ミツバ商会 水槌ポンプ

投稿者 taguchi : 2006年03月12日 16:01

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コメント

考えはすばらしいと思いますが、無理でしょう。
まず、角館は道路が狭いことを忘れています。流雪構を剥き出しにすれば、その分道路が狭くなるだけです。
また、お祭りにも(あれ以上道幅狭いと)悪影響があるし、結果的には危険を増やすだけでないでしょうか?

>24時間いつでも流せれば雪を流すタイミングが分散されますから詰まる確率は下がります。
逆だと思いますよ。
いつでも流せるようになれば、詰まる確率が高くなる。上側に住んでる方のほうが有利になります。
これは、貴方が言っている「ドンベ」を、利用してる私の経験からです。
また、流す水の量を増やすとパンクが多くなるらしいです。
アイデアを出すのは構いませんが、もう少し現実味のある考えを期待します。

投稿者 ホジね : 2006年03月16日 22:24

> まず、角館は道路が狭いことを忘れています。流雪構を剥き出しにすれば、その分道路が狭くなるだけです。
> また、お祭りにも(あれ以上道幅狭いと)悪影響があるし、結果的には危険を増やすだけでないでしょうか?

 “流雪構を剥き出しにすれば、”とのことですが、別に剥き出し(オープン)にしなくてもいいんですよ。
 何時でも流せるようにするのが主目的ですから、必ずしも剥き出しにする必要はないです。剥き出しにできるところがあれば、そこだけ剥き出しにすればいいんです。
 実際には、車が上を通りますから剥き出しにできるところは限られるでしょう。確かに安全性の問題もありますし。しかし、町なかに水の流れのある風景というのは気持ちのよいものです。もしオープンにできるところがあれば町に心地良い風情を与えてくれるでしょう。鯉も見れるし(笑)


> >24時間いつでも流せれば雪を流すタイミングが分散されますから詰まる確率は下がります。
> 逆だと思いますよ。
> いつでも流せるようになれば、詰まる確率が高くなる。上側に住んでる方のほうが有利になります。
> これは、貴方が言っている「ドンベ」を、利用してる私の経験からです。

 私のうちのそばのドンベは詰まったことはないです。場所によって違うんでしょうね。
 少なくとも各家が一斉に流すよりも分散させた方が、時間当たりに流れる雪の量は減りますので詰まる確立は下がると思いますよ。
 ホジねさんのところのドンベが詰まるのは別の理由ではないでしょうか?


> また、流す水の量を増やすとパンクが多くなるらしいです。

 「パンク」と言われているのは詰まって道に水が溢れ出すことでしょうか?
 灌漑をするなどして水の量を増やそうといっているのは、1日に30分しか流れないものを常時流す事が目的ですので、時間当たりに流れる水量は現在水が流れている時の水量と変わりません。今よりも大量の水を一気に流そうというわけではないです。


> アイデアを出すのは構いませんが、もう少し現実味のある考えを期待します。

 もちろん、ここに書いたことは直ぐに実行できるレベルまで精査されたものではありません。ジャストアイデアです。しかし、こういったアイデアに多くの人の意見を積み重ねればよりよい除雪システムの姿が見えてくると思いますよ。

 除雪の負荷は昔に比べて大きくなってきていると感じます。現行の除雪システムがこのままでいいとは思えません。このブログの記事に沢山の人が関心を持ってくれて、町の除雪の仕組みが改善されるきっかけになってくれたら嬉しいですね。

投稿者 20年ぶり : 2006年03月17日 00:12