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2005年10月23日

仙北市長選挙公開討論会 その1

 10月18日仙北市長選挙公開討論会が行われた。
 その様子を録画した映像をきたうら花ねっとさんで見た。(映像の公開は22日で終了しています)

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 そういう討論会が企画されているという話を聞いたときは「どうせ、三人から似たような話を聞かされるだけだろう」と高をくくっていたが、見てみると3候補の考え方の違いがよく分かる非常に有意義な討論会だった(私には仙北市の選挙権はないんですけどね)。
 700人あまりの方が参加したらしいが、参加した方、映像を見た方はみな有意義な討論会だったと感じたのではないだろうか。討論会を実施しよういうアイデアはあってもそれを実行に移すのは大変なことだったと思う。初めての事で色々苦労されたのではないだろうか。討論会を企画、実施された方々に敬意を表したい。

 今回この討論会が成功したことで、おそらくこの形がこの地域の今後の選挙のスタンダードとして定着していくだろう。抽象的なスローガンや、実現性のない政策を掲げて、選挙カーで名前を連呼するだけの選挙の時代が終わり、一つ先の時代に進んだような気がする。

 公開討論会を開催したこと自体が画期的な事だったと思うが、さらにその様子を撮影した映像をネットで配信した事も画期的であった。
 おかげで東京にいる私も討論の様子を生々しく見る事ができたし(選挙権もないのに回線を圧迫してすいません。)、当日都合がつかなくて参加できなかった多くの人たちも討論会の様子を見ることができたわけだが、映像で見たものを文章にまとめようとしてみて思ったのは「映像の力は、やっぱり大きいなぁ」という事だ。
 コーディネータ氏の鋭い質問に候補者が答え難そうにしている場面があった。それこそ本音が見え隠れしている部分であり、それを伝えたいのだが、文章にしてしまうとその様子がまったく伝わらない。「答え難そうにしていた」と書けば伝わるかもれいないが、それでは主観が入ってしまう。主観を排して、淡々と発言された言葉を文章にしていったのでは一番伝えたいところが伝わらない。これは活字の限界である。
 そういったところまで考えて映像での配信をされたのかどうか分からないが、映像で配信された事によって、質問に答える候補者の話し振りや、顔色などからその発言内容への真剣さ、信憑性を感じ取ることができた。映像で配信したことは大正解だったと思う。

 また、討論会のコーディネーター(進行役)を外部の方にお願いした事も正解だったと思う。日経新聞の記者であったの勝又氏の遠慮のない鋭い質問によって候補者のありのままの姿があからさまになるシーンが何度もあった。地元の人間ではあそこまでは言えないだろう。

 最近、マニュフェスト選挙という事がよく言われるが、単に人を選ぶのではなく、政策を選ぶという選挙が世界的な潮流となっている。討論会も『人の選択』から『政策の選択』へという同じ流れに乗るものだろう。ヨーロッパから始まったこの流れが、遠く離れたこの地にも浸透してきているのを見て政治のあり様も世界と無縁ではいられないのだなぁと感じる。
 しかし、同時にこれは有権者が政治や、社会に関心をもって参画しなければならない時代になってきた事も意味している。人の選択なら信頼できそうな人を選んで後はお任せでよかったが、政策を選択するためには政策の良し悪しを有権者が判断できなければならない。参加する権利は、参加する義務と一体だ。
 かつて政治に於いては、政治家の知識・情報と、有権者の知識・情報には大きな差があり、任せざるを得ないという状況もあった思うが、現在はTVの政治討論番組や、インターネットの普及などによって有権者の持ちうる知識・情報は政治家のそれとさして変わらなくなってきている。こうした環境の変化が『人の選択』から『政策の選択』へという流れを作り出しているのだろう。

 この『人の選択』から『政策の選択』への流れを本物にするためには、有権者一人ひとりが関心を持って積極的に社会に参画するように意識が変わって行かなければならないと思う。

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 さて、話が随分横道にそれてしまったが討論会の話に戻そう。

 討論会は3時間にわたり、あらかじめ提示されていたいくつかのテーマに沿って行われた。
 討論会と言っても、候補者同士が直接討論し合うのではなく、3人が順番にそのテーマについての考えを述べ、コーディネータ氏がそれに質問するという形式だった。
 3人の発言が一致するテーマもあったし、異なるテーマもあったわけであるが、全体を通して見たときに石黒さんと、他の二人(田代さん、佐藤さん)の間に基本的な発想の違いがあるように感じられた。
 佐藤さん、田代さんは「行政が何をするのか。」という発想であるのに対して、石黒さんは「民はどうあるべきか。それを行政はどう支援するのか。」という発想のように思えた。これは、石黒さんが民間企業出身で、他のお二方が行政の職員出身だという事と無関係ではないように思う。

 長くなったので今日はこの辺で。

投稿者 taguchi : 2005年10月23日 19:19

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