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2005年06月11日

【交通渋滞】25万人規模に対応した受け入れ態勢?

 先日のさきがけ新聞に今年の桜まつりの交通渋滞についての記事が掲載されていました。

 国道交通省、警察、角館町、観光協会などの関係者が今年の交通渋滞について検討会を行ったそうです。検討会の内容は秋田河川国道事務所のサイトで見ることができますが、標題には次のようにあります。

 〜過去最高の観光入り込み客数(141万人)を記録した桜まつり
            25万人(日最大)規模に対応した受け入れ態勢が課題〜

 25万人の観光客が集中した5月3日には、秋田方面からの渋滞は昨年のピーク時の3.5倍の12.3kmになったそうです。それで、“観光規模の拡大に伴う受け入れる態勢”が課題だということで、来年に向けて更なる受け入れ態勢を検討していくとの事です。

 ここでも「桜の満開がGWで、かつ、天候にも恵まれたことから」と渋滞の理由が説明されていますので、駐車場の造成や、道路の拡充などのお金のかかる恒久的な対応はとられないものとは思いますが、老婆心ながら私の思うところを書いてみたいと思います。


■今年の花見客数の増加は偶発的なもの

 今年の桜まつり期間中の観光客数は過去最高だったそうですが、桜の開花時期が遅れて桜祭りの期間を後ろに延長した為、桜まつりの期間自体が例年よりも長かったのです。
 また、ゴールデンウィーク期間中の観光客数が多かった事や、5月3日に25万人もの観光客が訪れた事も、ゴールデンウィークに祭日と、土日がうまくつながって連休が長かった事や、桜の開花時期が例年よりも遅れてゴールデンウィークにちょうど重なった事、また天候に恵まれた事が大きく影響しています。
 角館の“観光規模”がまったく拡大していないとは思いませんが、今年の花見客増加については大きな要因ではないと思います。

 従いまして、来年以降、祭日と、土日が平年どおりのつながり具合になり、桜の満開の時期が例年通りに戻ればいつもと変わらない観光客数に戻るものと思います。


■長い目で見れば花見客は減少する可能性がある

 角館の桜を見に来る観光客の大部分が県内、もしくは近県の方々です。この地域の人口は既に減少期に入っていますから、それに伴い観光客も減ってゆくものと思われます。
 更に、北海道新幹線の着工が決まり、10年後(2015年)には新幹線が函館まで伸びることになりました。列車を利用して遠地から来られる観光客は、ゴールデンウィークにちょうど満開を迎える北海道に流れることが予想されます。
 そして、これはかなり不確定な要因ではありますが、地球の温暖化傾向が続けば、桜の開花時期は今よりも早まり、角館の桜の開花時期はゴールデンウィークから大きくズレていく可能性があります。

 このように考えると、過去最大を記録した今年の観光客数は「過去最高」というだけでなく、これからも破られることのない歴史上のピークとなる可能性もあります。

 今年の花見客の増加による渋滞は、今述べたように「暦」、「気候」、「天候」の好条件が重なったことによる偶発的な現象と思われます。更に、今後は花見客が減少する可能性すらあるのですから、駐車場の造成や、道路の拡充などお金のかかる恒久的な対応を行う必要はないと思います。

(※減少する可能性があるのは「花見の時期の観光客」で、他の時期の観光客はこの限りでありません。)


■もし条件が重なって、また25万人来ちゃったら?

 渋滞させておきましょう。
 確率の問題ですが、起こったとしても数年に1回の割合でしょうし、人口の減少に伴って発生の確率は下がっていくものと思います。
 また、今年は12キロ渋滞したそうですが、このぐらいの渋滞は東京近郊ではカワイイ方です。

CIMG1752.jpg

 もし、渋滞しないように駐車場や、道路の整備をするとどうなるでしょう?
 今年、武家屋敷の通りは休日の渋谷並の混雑でした。渋滞で道路に足止めされていた観光客がスンナリと町に入ってくると、今度は町の中が今年以上の混雑になります。渋滞する事によって、町に入ってくる観光客の流量が制限され、町なかの混雑が抑制されているという事もあるわけで、道路の渋滞だけでなく全体を総合的に考慮する必要があると思います。

 渋滞の問題にどう対応するかは、花見の観光をどう考えるかによって変わってくると思います。それを次に考えてみたいと思います。

投稿者 taguchi : 2005年06月11日 05:46

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