曳山運行ムービープロジェクト2004

平成十六年九月十一日にスタートしたこのプロジェクトですが、皆様からの多くの情報提供を頂きまして今日に至りました。
多くの方からお褒めの言葉を頂き、製作者冥利に尽きることと嬉しく、またありがたく思っております。この場をお借りいたしまして御礼申し上げます。
引き続き情報提供を随時受け付けております。お気付きの点がありましたら掲示板までご連絡下さい。
   
  この度、「CDおやま囃子」のサイト様のご協力を頂きましてムービーを再生しながらお囃子を聴くことが出来るようになりました。
  その他いくつかの修正を含めてVer2.0としてリリース致します(修正点の詳細は下記の更新履歴を参照下さい)。
  再生速度を多段階に調整可能とし、以前よりもかなりゆっくりとした速度で再生することができるようになりました。お囃子を聴きながらゆったりと眺めて頂ければと思います。
 
 
平成十六年十月二十六日 運営者



曳山運行ムービーへのよくある質問

Q.1 どうやって動かしているんですか?
A.1 Flashというブラウザ上でアニメーションを再生する技術を使っています。
 Flashはブラウザ内で動くゲームや、動きのあるバナー広告など作成に使われています。ちなみにこのサイトのアルバムのページもFlashで作成されております。

Q.2 アニメーションってことは、TVアニメのアニメと同じですか?
A.2 基本的な原理は同じです。子供の頃やったパラパラマンガと同じ原理で、静止画を高速に次々と表示することによって滑らかに動いているように見せています。TVアニメは30コマ/秒、映画アニメは24コマ/秒だそうです。
 曳山運行ムービーでは、1秒間に表示するコマ数を調整できるようにしています。Ver2.0では、最も遅くした場合が1コマ/秒、最速が48コマ/秒です。但し、あまり速く動かそうとするとパソコンの性能によって処理が追いつかない場合があります。設定したコマ数と、実際に表示しているコマ数の差は速度調整ボタンの所にある“実測メータ”で確認できます。私のパソコンでは24コマ/秒ぐらいが限界でした。

Q.3 実際の時間と、1コマの関係は?
A.3 1コマが、実際の1分間に対応しています。つまり、1コマ進むと、1分後の曳山の位置に移動します。ですので、実は1分以内に終わる動きは正確に表現できません。例えば、十字路を曲がるのに実際は1分もかからなかったとしても、ムービー上は1分かかった形になってしまいます。このムービーでは、滑らかに曲がっているように見せるために45°向きを変える動作を2回行って(つまり2コマ使って)90°向きを変えていますので、ムービー上は2分かかったように表現されています。
 ムービー全体では、9日の夕方6時から、10日の朝4時までの10時間( = 600分)の動きを、600コマで表しています。

Q.4 600コマも作るのは大変じゃなかったですか?
A.4 通常のアニメと違ってFlashでは全てのコマを一つ一つ作る必要はありませんので大丈夫です。キー(要所)になるのコマだけ作成すると、その間のコマはFlashが自動生成してくれます。例えば、ある十字路から、次の十字路へ進むのに20コマ(20分)かかった場合は、あるコマで最初の十字路に曳山を配置して、20コマ後に次の十字路に配置をします。そしてその間のコマを自動的に生成しろと設定するだけでその間の19コマを自動生成してくれます。
 もっとも、これを18曳山分行う必要があるんですけどね(泣)。

Q.5 表示されている曳山の大きさと、実際の大きさの比は?
A.5 6倍程度大きく表示されています。6倍と言うと大した事なさそうですが、曳山を縦横に6台ずつ36台並べた時の大きさを想像すれば、かなり大きく表示されている事が想像できると思います。小さくすると丁内名が読めなくなるので現在の大きさになっています。なので、立町のあたりで曳山が混み合うと重なって表示されてしまう問題があります。
 ズームインボタンを10回位クリックすると、画面中央に実際の曳山と同じ縮尺の曳山が見えてきます。

Q.6 地図は正確ですか?
A.6 まぁ、ぼちぼち。寸法については概ね合っていると思います。

Q.7 地図上の、Xを2つ重ねた様な記号は何ですか?
A.7 張番を表しています。張番脇にある矢来(竹を交差させて作った囲い)を記号化しました。

Q.8 携帯電話で、見る事はできますか?
A.8 残念ながらできません。
 Flashを再生できる携帯電話もありますが、携帯電話で使用できるFlashは機能が制限されているので曳山運行ムービーをそのまま動かすことはできません。仮に出来たとしても小さすぎてよく見えないような気が...

Q.9 私にも作れますか?
Q.9 先ず、Flashの編集ツール(Macromedia社Flash)が必要です。結構いい値段がします。学生の方はエデュケーション版が1万5千円位で買えるようです。ただ、このムービーと同じようなものを作るにはそれなりの習熟が必要だと思います。また、ある程度プログラムも書く必要があります。
 Flashに興味を持たれた方は、次のサイトでFlashで作成されたかっこいいサイトを紹介していますので見てみたら面白いと思います。 3Enhanced for designers
 Flashの編集ツールを使わずにFlashと同じ形式のファイルを出力する簡易ツールもあるようです。そちらは値段も安いと思いますし、習熟も早いとは思いますが、どの程度の事ができるのかよくわかりません。


来年に向けての構想(夢想)

今年、初めて曳山運行ムービーを作ったわけですが、作る前には想像していなかったような課題が分かってきました。また、皆さんからいろいろご要望も頂いております。それらを踏まえ来年(もしくは未来)の曳山運行ムービーの構想を考えています。

運行データを丁内の皆さんが直接入力できるようにしたい

 今回の作業で何が一番大変だったかというと皆さんから寄せられた情報の管理でした。これはまったく予想していなかったことでした。
 単純に寄せられた情報に従って編集すればいいと思っていのですが、寄せられる情報は断片的なものですから、編集するときに寄せられた情報同士が矛盾していないかチェックする必要があり、その事に随分気を使いました。
 この問題は来年は改善するのではないかと考えています。来年は、曳山運行ムービーの事をちょっと頭の片隅においといて頂いて、他の曳山と交差した時間とか、角を曲がった時間とか覚えておいて頂ければ「何時に何処」という絶対的な形の情報になりますので他の情報との矛盾を考えなくて済むだろうとは思います。ただ、逆に今年よりも情報量は多くなるだろうと予想しています。また、今年は9日だけでしたが、7日、8日の曳きまわしについても見たいというご要望が寄せられておりますので、三日分作りたいのですが、一人で三日分の編集作業をするのは荷が勝ちすぎるかなと感じています。
 そこで! パンパカパーン!
 来年はデータの投入用の画面を作成し、各丁内の方々にネットを通して自由に入力して頂こうかなと考えています。
 サーバ側のプログラムを書かなければなりませんし、色々課題もありそうですので、うまくいくかどうか未だ分かりませんが、できればそうしたいと考えています。

三日間の運行ムービーを作る事の課題
 三日分作るとなると、データ量が3倍になるだけはなく、他の課題も出てきそうです。
 まず、地図の範囲を広げる必要があります。現在は、神明社も、佐竹さんの上覧場所も地図の外ですので、地図を縦横2倍程度に広げる必要があるでしょう。つまり縮尺が現在の1/2の地図を作る事になります。地図の縮尺を変えずに、7日は神明社付近だけ、8日はお薬師さんと、上覧場所が入るように町の北側だけという風に地図を分ける手もあるのですが、縮尺の小さな全体地図を作って、必要なところにズームインする方がかっこいいですよね。
 地図の縮尺を変えると、付随して曳山の縮尺の問題が出てきます。曳山の縮尺を地図と同じように1/2にすると、丁内名が小さすぎて読むことが出来なくなります。曳山のサイズはこのままとしますと、地図との比は現在の2倍になってしまいますので、今年の立町のように曳山が混み合った時に曳山が重なり合う問題がより頻繁に起こります。ズームインした時に曳山の縮尺を小さくしてズームインの度合いに関係なく常に一定の大きさで曳山を表示するという手を検討しています(これも問題があるんですけどね)。


再生機能と、曳山運行データを分離したい

 今年のムービーは、皆さんから頂いた運行の生データを直接Flashの編集ツールで設定しており、再生機能と、運行データは渾然一体で分離されていません。運行データだけ取り出せと言われても完成したムービーを見るか、編集元のFlashのファイルを見るしか方法がありません。来年は、これを分離したいと考えています。つまり、「再生エンジン(プログラム)」と、「運行データ(テキストデータ)」を分離し、「再生エンジン」が、外部の「運行データ」を読み込んで曳山の動きを再生するようにしたいと考えています。
 これは、次のようなメリットがあります。
 
曳山の運行の記録を将来に残せる
 10年前、20年前の曳山の運行の記録は残っているでしょうか? 立町に設置される「曳山現在位置」のデータが保存されていれば、それが記録ということになりますが、この曳山運行ムービーのデータは多くの丁内の方が参照され、間違いは訂正されますので「曳山現在位置」のデータよりも精度の高いデータを収集することが可能です。これを「運行データ」として分離して保存すれば、数十年、いや百年先までその年の曳山の動きを残す事ができます。

将来の進歩した技術で過去の曳山の動きを再生することが可能となる
 技術の進歩に伴って「再生エンジン」が陳腐化する可能性があります。現在Flashで作っていますが、Flashが未来永劫存在するわけではありません。レコードがCDに、VHSがDVDに変わるように技術は進化します。「運行データ」を「再生エンジン」から分離しておかなければ、後年再生できなくなる可能性があります。しかし、逆に分離しておけば、5年後、10年後にパソコンの性能が向上し、そのパワーをフルに生かす技術が出てきた時に、その時々の最新の技術を使って作った「再生エンジン(プログラム)」で、過去の「運行データ」を読み込んで再生することが可能となります。
 5年後には、3次元の町の様子と組み合わせて、バードビューで表示するようなものも出てくるかもしれません(笑)

他の方が別のソフトを開発する事ができる
 今年は、みなさんから掲示板を通して情報を頂き、そのデータを私だけが使用しましたが、元々「運行データ」は皆さんから提供して頂いたものですから、町内で共有されるべきものと思います。「運行データ」を公開し、共有する事によって、その「運行データ」を使って他の方が別のソフトを開発する事が可能となります。
 そのソフトは、運行ムービーと同じ様なものかもしれないし、まったく違うものかもしれません。数年間経ってデータが蓄積されれば、複数年のデータを解析し、統計的な情報を表示するとか、ある曳山の複数年の動きをいっぺんに表示して、年による運行の違いが見られるとか、アイデア次第でいろんなものができそうです。

ゆっくり再生しても曳山の動きが滑らか
 これは、現行の運行ムービーと比較しての話で、まぁ、タナボタみたいなもんなんですけど...
 Ver2.0の運行ムービーでは1秒間に再生するコマ数を1コマ/秒まで低下させる事ができますが、実際に動かしてみると分かる通り1秒毎に絵が“カタッ”、“カタッ”と動いてとても滑らかな動きとは言えません。これは、あらかじめ10時間(=600分)分600コマの絵を用意しておいて、“コマを差し替える頻度を下げる”事でゆっくり動いているように見せている為で、原理的にしようがありません。
 さて、「再生エンジン」と、「運行データ」を分離するという事は、あらかじめ絵を作らないという事でもあります。絵は、再生時に「再生エンジン」が「運行データ」を元に位置と、向きを算出して曳山を地図上に配置する事で作ります。ですのでゆっくり再生させたい場合は“コマを差し替える頻度はそのまま”で、絵の方をゆっくり動いている様に、つまり曳山をあまり前に進まないように配置すればよいので、再生速度を下げても曳山の動きは滑らかなわけです。

  
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